2014年6月23日

最も報酬を多くもらえる職種は何か?【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(13)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。

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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「君はスゴイな。本当に見習いたい」


部下 :
「え? 部長、どうされたんですか?」


マネジャー :
「なんていうか、その……ポジティブというか、楽観的というか。とにかく
前向きじゃないか。その前向きさはスゴイよ」


部下 :
「部長、嫌味ですか」


マネジャー :
「嫌味なんかじゃない。今期の目標、達成しそうにないと判断すると、早い
段階であきらめた営業がたくさんいるのに、君はまったくそうじゃない」


部下 :
「実際に、ラクに目標を達成できたらいいんですが」


マネジャー :
「以前の会社でもそうだったのか? 確か以前はハウスメーカーの営業だっ
ただろ?」


部下 :
「ええ。まるで売れない営業でした」


マネジャー :
「まるで売れない営業、か……。それでも、最後まで、とにかくあきらめな
かったわけだ」


部下 :
「あきらめる、ですか?」


マネジャー :
「そう。全然売れないと、目標が達成できそうにないと思って、あきらめて
しまうこともあるじゃないか」


部下 :
「いえ」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「あきらめません」


マネジャー :
「ええっと……」


部下 :
「どうして、あきらめるんですか」


マネジャー :
「……」


部下 :
「申し訳ありません。あきらめが悪いので、私は営業成績が悪かったんでし
ょうか。よくわからなくなってきました」


マネジャー :
「いや、悪い……。私が、悪かった」


部下 :
「今期の目標は7800万円です。現時点で6829万円。約1000万円
足りません。今月が期末で、あと1週間しかありませんが、それでも、まっ
たくあきらめていません」


マネジャー :
「うん……」


部下 :
「別に、いいですよね?」


マネジャー :
「も、もちろんだ」


部下 :
「ハウスメーカーで働いていたので製鉄関連のことはよくわかりませんが、
この1年、何とかやってこれたのは、営業という仕事に就かせてもらったか
らだと思っています」


マネジャー :
「君」


部下 :
「営業は、絶対に仕事がなくならない職種ですよね?」


マネジャー :
「……うん」


部下 :
「仕事の報酬は、仕事だ、と聞いたことがあります。仕事がなくなったら、
自分の存在価値がなくなってしまいます。営業部に配属させていただいて、
本当に恵まれていると思っています」


マネジャー :
「誰も、なり手がなかったんだが……」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「いや」


部下 :
「とにかく、あきらめたら、それで仕事がなくなってしまいます。精神論と
かじゃなくって、営業なんですから、あきらめるなんて考えるはずもありま
せん」


マネジャー :
「やはり、君はスゴイな……」


部下 :
「あ、部長、待ってください。重要な電話が入ってきました。はい、はい…
…。ええ…………。ええ……。はい」


マネジャー :
「……」


部下 :
「…………はい……。え……! 970万円っ!? はい! ……ええ。え
え……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「…………かしこまりました。……はい。明日の朝、すぐにお伺いいたしま
す。ありがとうございます!」


マネジャー :
「……どうした?」


部下 :
「受注しましたっ! 970万円の案件です。やりましたっ! 今期の目標、
達成ですっ」


マネジャー :
「え……」


部下 :
「やっぱりあきらめないでいると、いいことがありますね」


マネジャー :
「970万って……。それだと、まだ若干足りないだろう」


部下 :
「え? 私の目標じゃありません。Kさんの目標です。Kさんがあきらめか
けていたので、私がフォローしていたんです」


マネジャー :
「えっ」


部下 :
「私の目標は先ほど言ったように、まだ1千万円ほど足りません。あと1週
間、駆けずり回ります」


マネジャー :
「追い詰められているのに、すごく楽しそうだな、君は」


部下 :
「だって、仕事の報酬は仕事なんですよ。こんなに報酬もらっていいのかな、
なんて思ってしまいます」



……私の書籍「空気で人を動かす」で書いたとおり、「仕事の報酬は仕事」。

金銭的報酬で人を動かそうとすると、「場の空気」が悪くなります。

人は追い詰められると、ストレスから逃げるか、立ち向かうか、のどちらかを
選択します。

ストレスに立ち向かうと「ゾーン」に入ります。神経伝達物質「エンドルフィ
ン」が分泌することで、感覚が研ぎ澄まされ、恍惚感・多幸感を覚えるのです。

あきらめたら、その感覚を味わうことはできませんよね。


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【編集後記】

サッカーが大好きな息子(11歳)は、毎日のようにワールドカップの観戦ガ
イドを読んでいます。

「書き込み式スコアシート」というページがあり、毎日、各国の試合結果を書
き込んでいます。

主要チームのメンバーの名前、背番号、所属クラブもすべて覚えていて、かな
り詳しくなっています。

テレビを観ていた妻が「この人、誰?」と質問すると、

「ドイツのミュラー。バイエルンのフォワード。メチャクチャ点入れる」

「この人は?」

「クロアチアのモドリッチ。レアルの人。チャンピオンズリーグでも活躍して
た」

「コロンビアって強いの?」

「メチャクチャ強いよ。去年は世界ランキング3位だった。今は8位だけど
ね」

横で聞いていた私も「へー」と感心するぐらい、いろいろ知っている息子です。

昨日(6月22日(日))、妻がその息子に、

「どこの国が優勝すると思う?」

と質問したところ、息子はこう即答しました。

「日本」

それを聞いた妻は驚き、それを伝え聞いた私もビックリしました。

しかし、

驚いている私たち大人が、何か大事なものを「あきらめている」のかもしれな
いな、と思いました。

何かとても大きなものを「失っている」気がしてならないのです。

ちなみに、息子が「日本」と即答した理由は、こうです。

「本田選手が『優勝する』と言ったから」