2014年7月17日

家族のための「戦略的時間術」【ロー・ボール・テクニック】

● 今回のテクニック:【ロー・ボール・テクニック(14)】

ロー・ボール・テクニックとは、まずは相手が受け取りやすいボールを投げて
から、徐々にオプションを増やしていく方法である。

説得される側は、気がついたときには最初の条件よりも吊りあがっているため、
騙されたと感じるかもしれず、リスクは高い。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックよりも強力な説得技術と言われているが、
多用は禁物である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君は、今日も遅くまで仕事をしてるな」


部下 :
「あ、すみません。もうすぐ帰宅します」


マネージャー :
「夜の10時だよ」


部下 :
「大丈夫です。前の会社では、11時でも12時でも平気でしたから」


マネージャー :
「おいおい。何か勘違いしてないか? 長時間労働はダメだよ、この会社で
は」


部下 :
「あ、すみません」


マネージャー :
「前も話したとおり、脳が活性化していないと『幸運』とも巡り合えないも
のなんだから」


部下 :
「ああ、そうですよね。でもU主任が言っていたんです。一心不乱に、がむ
しゃらに動いていたら、幸運の恵みは微笑んでくれるって」


マネージャー :
「……いやいや」


部下 :
「違いますでしょうか……」


マネージャー :
「がむしゃらに働くことを否定はしないけど、さっき言ったように、脳が活
性化していないとダメなんだ」


部下 :
「私はどちらかというと『夜型人間』なんです。夜は強いので大丈夫です」


マネージャー :
「だーかーらー、そういうことじゃないって」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「昨日、提出してくれた資料なんだけどさ、クリアファイルに入れて持って
きただろ?」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「このクリアファイル、返しておくよ」


部下 :
「ああ、別にいいですよ。クリアファイルぐらい、いくらでもありますか
ら」


マネージャー :
「中に手紙が入ってた」


部下 :
「……!?」


マネージャー :
「クリアファイルの中、見てみろ」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「娘さん、いくつだ?」


部下 :
「……さ、3歳です」


マネージャー :
「宛名がないから、俺への手紙かと思って開けてしまった」


部下 :
「……」


マネージャー :
「封が閉じてあったということは、いま初めて読んだんだろ?」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「どうしてそんな大切な手紙を、会社の資料と一緒にクリアファイルへ放り
込んだ?」


部下 :
「いや、これは……! 別にわざとそうしたわけじゃないんです。間違えた
んです」


マネージャー :
「わかってるよ! イヤミな質問をした俺が悪かった」


部下 :
「いえ、すみません」


マネージャー :
「3歳の娘さんが描いたその絵は、海水浴している絵か?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「奥様の手紙も入ってた」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「旅行代理店のパンフレットの写真を見て、お子さんは描いたんだって」


部下 :
「……」


マネージャー :
「一度も海水浴に連れて行ったことはないんだな」


部下 :
「……プールにも、ありません」


マネージャー :
「娘さんとは、いつ会うんだ?」


部下 :
「平日は、会っていないですね」


マネジャー :
「そりゃそうだろう。誰よりも早く出社してるもんな。7時過ぎだろ、会社
に来てるの」


部下 :
「ええ。前の会社でもそうでしたから」


マネジャー :
「ゴールデンウィークのときも、半分は出社してただろう?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「むごいことを言うが、長時間労働をしてる奴を俺は認めん」


部下 :
「……すみません」


マネジャー :
「能力がないから労働時間が長くなるんじゃない。労働時間を長くしている
と、能力が上がらないんだ。『逆算思考』で考えてくれ」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「明日から残業はゼロにさせる」


部下 :
「えっ」


マネジャー :
「絶対に残業はさせない。定時の6時になったら帰れ。猶予時間は15分だ。
6時16分になっても事務所にいたら、外へ放り出す」


部下 :
「し……しかし、いきなりそれは無理です。業務が立て込んでいるものです
から」


マネジャー :
「そんなこと知らん。俺が横についてすべての業務を他に割り振ってやる。
だいたい君は仕事を抱え込みすぎだ。俺の裁量で一気に役割分担させる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「見ていると、やるべきこと以外のこともやりすぎだ。いま抱えている仕事
を俺がいったん片付けてやる」


部下 :
「ど、どうして、そこまで私にしてくれるんですか?」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「だって前の会社では、上司から『いつも頭をもっと使え』としか言われな
くって」


マネジャー :
「あたりまえだ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「俺はお前の上司だからだよ」


部下 :
「……!」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「今日はもう帰れ」


部下 :
「は、はい」


マネジャー :
「あ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「来週の月曜日、休みをとれ」


部下 :
「ええ?」


マネジャー :
「ここに長島スパーランドのチケットがある」


部下 :
「長島……?」


マネジャー :
「ちょうど3枚ある。月曜日に行ってこい。誰を連れて行ってもいい」


部下 :
「え、いや……。そんな、残業もできないのに、休みなんかとれるわけない
と思います」


マネジャー :
「だから俺がついてるから大丈夫だって。俺を信用していないのか?」


部下 :
「いえ……でも」


マネジャー :
「あ、それとさ」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「ジャズドリーム長島っていう、アウトレットモールがあるんだよ。そこで、
香水を買ってきてくれ。俺の妻が欲しがってるから」


部下 :
「……」


マネジャー :
「頼むな。月曜日に休みをとってもらうから、明日からこれまでの3倍ぐら
い集中して仕事をしよう」


部下 :
「……」


マネジャー :
「泣くなよ」


部下 :
「部長は……私の娘が……、娘の誕生日が月曜日だって知ってて……」


マネジャー :
「しょうがないだろ、手紙、読んじゃったんだから」


部下 :
「それでチケットを……」


マネジャー :
「俺って恩着せがましいだろ?」


部下 :
「部長」


マネジャー :
「短い期間で仕事を完遂させることで脳の基本回転数は上がり、もっと脳は
活性化していく。そうすれば、必ず素晴らしい運に巡り合えるさ」



……いつも定時で帰り、プライベートの時間はしっかり確保しつつ、常に最高
の結果を出す!

そんな夢みたいなことができるのか?

できます。

私自身も、現在それを実践中です。メルマガを読んでいるすべての皆さま、が
んばりましょう!


(本メルマガは、リクエストがあり、2012年8月23日号を加筆修正した
ものです。過去のメルマガを転載するのは、メルマガスタートさせて6年間の
うち2度目です)

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【編集後記】

いつの間にか家族よりも仕事を優先しているときがあり、自分自身、反省する
ことが多々あります。

本日のメルマガは、実のところ「アタックス・セールス・アソシエイツの横
山」から「メルマガ草創花伝の発行者、横山」へとリクエストしたものです。