2014年7月22日

「ストレス免疫」を身につける最高の書籍【イエス・バット法】

● 今回のテクニック:【イエス・バット法(18)】

イエス・バット法とは、『応酬話法』の代表的なテクニックである。

部下とコミュニケーションをしている最中、相手の答え/考えが間違っていた
り、的を外していたりすると、ついつい反射的に抵抗してしまいたくなる。

それをグッと我慢し、まずは相手の反応を受け止め(Yes)、柔和に反論し
(But)、戦略的に交渉を進める方法である。

マネージャが部下の行動変革を促したい気持ちが強い場合、また部下のことを
考えて話しているのにもかかわらず頭ごなしに否定されたとき、いかに感情を
セーブできるかがポイントである。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「どうした、浮かない顔をして?」


部下 :
「すみません、ちょっと落ち込んでいるものですから」


マネージャー :
「落ち込んでる?」


部下 :
「はい。最近、ストレスに弱いな、と思い始めています。ちょっとした失敗
も恐れるようになって、チャレンジすることができていません」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「ここしばらくは、週末ずっと家でゴロゴロしています。友人が、疲れてい
るなら休んだほうがいいと言うので」


マネージャー :
「そうか、週末は休んでいるんだね。【でも】、そんなにストレスを感じて
いるのだろうか? 普段は眠れているのか?」


部下 :
「眠ることはできます。だいたい7、8時間は寝ています。食欲も旺盛で
す」


マネージャー :
「起きているときに絶望的な気持ちになったり、将来に希望を持てなかった
りするのか?」


部下 :
「いえいえ。以前からお話しているとおり、私には明確な目標があります。
妻のお母さんが寝たきりですので、はやく同居できるよう、二世帯住宅の家
を建てることが夢です」


マネージャー :
「そうだったな。君は確か、ご両親がいなかったはず」


部下 :
「はい。高校時代に二人とも他界しています。ですから、妻のお母さんが私
の母だと思っているんです。自分の親だと思って、親孝行したいと」


マネージャー :
「頑張る気持ちはある。でも、ストレスに弱いところがある、と?」


部下 :
「そうなんです。仕事でも成果を上げたいし、資格も取りたいです。毎日本
も読みたいし、意欲的な社会人との交流会にも顔を出したいと思っていま
す」


マネージャー :
「しかし、それらすべてストレスに感じる?」


部下 :
「はい。ほとんど先送りしていますね」


マネージャー :
「それだと、単純に堕落しているだけじゃないか」


部下 :
「まったく、その通りで……」


マネージャー :
「先週頼んだ資料、まだできていないだろう」


部下 :
「そうなんです。やらなくちゃいけないとは思っていても、なかなか」


マネージャー :
「しょうがないな。『ストレス免疫』をもっと身につけるようにしなさい」


部下 :
「そのために、週末は休んでいるんです」


マネージャー :
「休んでいるとストレスに強くなると思っているんだな。【しかし】君のよ
うに心身ともに健康な人には有効な手段ではないと思う」


部下 :
「じゃあ、どうすれば……」


マネージャー :
「ストレスに対する免疫力をつけるためには、ストレスをかければいいんだ
よ」


部下 :
「えっ?」


マネージャー :
「脳のニューロンを活動させるものは、すべてストレスらしい。だから会社
に出勤することも、私とこうして話していることも、すべて微小のストレス
がかかっている」


部下 :
「へえ」


マネージャー :
「ニューロンが発火するにはエネルギーが必要で、燃料を燃やす過程でニ
ューロンは摩耗し、傷ついていく。しかし、通常は修復メカニズムが働いて、
ニューロンはむしろ強くなっていく」


部下 :
「ニューロンが強くなっていく……」


マネージャー :
「そう。つまり『ストレス免疫』をつけるためには、適度なストレスと回復
するための休息が必要なんだ。君の言うとおり休息は必要だ。【しかし】、
それは適度なストレスにさらされている日常があるからこそだ」


部下 :
「た、確かに、そうですね。私の場合、やることもやっていないですから」


マネージャー :
「ストレスから逃げていると、打たれ弱くなる。現代社会には、ストレスを
いかに減らすか、といったさまざまなアドバイスが乱れ飛んでいるが、それ
らのアドバイスには、人間は困難があればこそ努力し、成長し、学ぶという
点が欠けている、と言われている」


部下 :
「人間は困難があればこそ努力し、成長し、学ぶ……」


マネージャー :
「人間にもともと備わっているストレス反応は、『1.危険に集中する』
『2.反応を起こす』『3.将来のためにその経験を記録する』という3つ
に絞られる。最後の『将来のための記録』が、知恵、というものを生み出し
ていくんだ」


部下 :
「何となく、わかります」


マネージャー :
「この脳の構造は1万年以上、ほとんど進化してもいない。にもかかわらず、
外部環境は劇的に変化している。だから現代のライフスタイルと我々の遺伝
子は釣り合っていない」


部下 :
「じゃあ、どうすればいいんでしょう。とにかく毎日、目の前のやるべきこ
とをキッチリこなしていけば、ストレス免疫もついてくる、ということなん
でしょうか?」


マネージャー :
「そうだな。でも、もっと簡単で楽しい方法がある」


部下 :
「えっ! それは……」


マネージャー :
「運動だよ」


部下 :
「う、ん、ど、う……?」


マネージャー :
「現代人の運動量は、石器時代の祖先と比べて38%も少ない。それなのに、
カロリー摂取量は爆発的に増えている。現代はエネルギーを消費しなくても
食べ物は見つかるし、『知恵』をつけなくてもよくなった」


部下 :
「私は29歳ですが、この10年ぐらい、これといった運動をしていませ
ん」


マネジャー :
「ストレスを感じると不安だろう? しかし不安を克服するためには、恐怖
を感じても死ぬわけではないと、脳に教え込むプロセスが必要だ。歪んだ認
知を再構築するために、体を使うというのは有効な手段だ」


部下 :
「休んでいるばかりだと、体もなまってきますし、心もなまってきますね」


マネジャー :
「本当にそうだな。適度な運動をしろよ。少しずつでいいから負荷をかけて
いけ」


部下 :
「わかりました。昔は体育会系だったので、無理せず、少しずつ増やしてい
きます」



……私が今年読んだ本の中で「ベスト3」に入る書籍を紹介します。

「運動は自発的にすることなので、そのストレスは予測できるし、コント
ロールできる」「自分を支配しているという感覚と自信が得られるからだ」
「ストレスをコントロールできるとわかっていれば、気持ちの切り替えがうま
くなる」

こういった平易な言葉もあれば、「パニック障害」「うつ」「注意欠陥障害」
「依存症」に悩む人の臨床実験から得られた科学的根拠も示している書籍です。


精神論や根性論とは無縁。科学的で、とても勇気づけられる内容となっていま
す。ストレスに悩むすべての人にお勧めします。


■「脳を鍛えるには運動しかない! ―最新科学でわかった脳細胞の増やし方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140813539/mysterycon0c-22/ref=nosim


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【編集後記】

日曜日、ちょっと「くよくよ」することがありました。

私は24年前から「知的障がい者のボランティア活動」を続けています。

現在は主要メンバーからははずれていますが、この3年半、ずっと皆勤賞を続
けてきました。

小さなことですが、毎年、この「皆勤賞」をもらうボランティアは、30~4
0名いる中で私ひとりになっているので、今年も当然、「皆勤賞」を目指して
計画を立てていました。

しかし先週、ボランティアを休んでしまったのです。約3年半ぶりです。

仕方のないことだとはいえ、なんか残念で、「くよくよ」してしまいました。

情報によると、障がいを持っている人たちから「今日は横山くんが来ていな
い!」「あれ? 横山くんは? 珍しいな~。休みか~」という声が相次いだ
とか。

うーん、残念。そして申し訳ないです。

45歳にもなれば、週末に都合がつかなくなるときくらいありますよね。1年
に1~2回はしょうがないですよね……。

学生や主婦の方も多いメンバーの中で、ひとりだけ皆勤賞だった自分をほめて
やりたいと思っています。

ただ、重要なことはこれからですね。

継続していたことがいったん途切れると、気持ちも切れてしまうことがありま
す。

来月から再びキチンと毎月参加できるよう、頑張ります。私のライフワークで
すから。