2014年8月11日

ブチ切れる社長、職場放棄する部長【恐怖アピール】

● 今回のテクニック:【恐怖アピール(5)】

恐怖アピールとは、相手の恐怖感情や危機意識をアップさせることで説得効果
を得る方法。

恐怖喚起コミュニケーションとも言う。

「もしもこうしたら/もしもこうしなかったら、どうなるかわかるか?」とい
う、表現で相手をリーディングする。

恐怖体験が臨場感たっぷりに味わえるかどうかがポイント。

当然のことながら多用は禁物。多用すれば、当然のことながらラポール(信頼
関係)は崩れていく。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長、まだ帰国されませんか?」


マネジャー :
「ああ。まだだ」


部下 :
「社長がアメリカへ行ってから、もう1週間が過ぎました」


マネジャー :
「そうだな……。本当にマズイ」


部下 :
「正直申し上げて、社長には失望しました。どうせなら、もう少し違う行動
に出てもらいたかったです」


マネジャー :
「う……ん」


部下 :
「そう思いませんか、課長」


マネジャー :
「経営会議で完全にブチ切れたからな……。業界の伸長率と比べても、4月
から業績は悪化の一途。まァ、わからないでもないけど」


部下 :
「それにしても、海外へ逃避行するなんて……」


マネジャー :
「一応、アメリカへの出張扱いだよ。『ブチ切れ出張』であることは間違い
ないけど」


部下 :
「連絡は取れないんですか?」


マネジャー :
「部長だけが行先を知ってる」


部下 :
「部長はどうしたんですか」


マネジャー :
「部長は……長期休暇だ」


部下 :
「そうですよね。長期休暇ですよね」


マネジャー :
「ああ」


部下 :
「どうなってるんですか、この会社……」


マネジャー :
「社長の意向で、業績回復のため、部長がいろいろな行動計画を設定したの
に、誰も言うことを聞かない。ある意味、しょうがないだろう」


部下 :
「しょうがないって……職場放棄でしょう」


マネジャー :
「一応、体調不良ってことになってる」


部下 :
「体調不良って……この前の週末、スポーツジムでばったり会ったと、経理
の人が言ってましたよ」


マネジャー :
「そ、そうか」


部下 :
「ヒドすぎませんか? 社長も、部長も」


マネジャー :
「ヒドい、か……」


部下 :
「ヒドい、でしょう」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「いやァ……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「私たちも、ちょっと、ヒドかったかも……」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「社長が期待していたことを裏切ったのは私たちだし、部長が指示したこと
を無視し続けたのも私たちだ」


部下 :
「ええ……」


マネジャー :
「もう、何度も言われたものな」


部下 :
「はい。何度も、何度も、言われました」


マネジャー :
「そのたびに、何度も、何度も、『できない理由』を言い続けた」


部下 :
「はい。言い訳ばかり言い続けました。わかってるんです……」


マネジャー :
「そりゃあ、もうブチ切れるって」


部下 :
「3年ぐらい前から、ずっと社長は根気よく待っててくれたのに」


マネジャー :
「あの温和な社長がブチ切れたんだ。よっぽどだろう」


部下 :
「責任感の強い部長も、そうですよね。私たちが依存し過ぎたんでしょう。
なんでもやってくれました。何か困ったことがあると、お客様のところへも
駆けずり回ってくださいました」


マネジャー :
「昨日、経理部の課長が銀行に呼び出されていた」


部下 :
「……え」


マネジャー :
「社長が海外へ行く前、当社の財務内容をすべての社員に開示しただろう」


部下 :
「はい……。あまり、よくわかりませんでしたが」


マネジャー :
「借金や資本はこれだけあるから、後は何とかしろ、というメッセージかと
思った」


部下 :
「マジ、ですか」


マネジャー :
「社長と部長を除く幹部は、財務のこともよくわからない。重要顧客とのリ
レーションも取れない」


部下 :
「このまま社長と部長が現場復帰しなかったら、どうなるんですか? 会社
は倒産するんですか?」


マネジャー :
「会社が倒産するとか、そんなこと以前に、株を持っている社長の親族が黙
っちゃいないぞ。銀行への対応も誰がやるのか。それに9月になったら新入
社員が2人入ってくる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「会社を立て直すことより、会社を清算することのほうがよっぽど大変だ。
法的手続きなど、どうすればいいかまったく見当がつかない」


部下 :
「何だか、私も逃げたくなってきました」


マネジャー :
「君が受け持っている顧客は40社あるはずだ。その40社のことを考えた
ことがあるか?」


部下 :
「……ああ」


マネジャー :
「その40社との取引き、やめられるのか?」


部下 :
「や、やめられるわけありません。ものすごく迷惑をかけることになりま
す」


マネジャー :
「そうだろう?」


部下 :
「あああ、こんなことなら、社長をブチ切れさせるんじゃなかったです。と
いうか、部長が仰ってきたことをもう少しマジメに聞けばよかった」


マネジャー :
「部長は特にこの2年間、6回、私たちと大きな話し合いを持った。ひとり
ひとりと面談をして、懇切丁寧に組織改革の必要性を訴えてきた。にもかか
わらず、私たちは無視し続けてきたんだ」


部下 :
「うううう、自業自得かも……。社長と部長を責められませんね」


マネジャー :
「いずれにせよ、私たちが大幅に行動を変えない限り、2人の現場復帰はな
いと思わないと」


部下 :
「もう、こうなったら、何でもやりますよ――」



……現実的に、このようなことはあり得ませんが、何か(誰か)に依存し過ぎ
ると人は傲慢になります。

自分の主体的な行動によってどれぐらいの成果が出ているか、わかりづらくな
るからでしょう。

寄りかかっていたものがなくなったときはじめて、その存在の大きさ、自分の
愚かさに気付くのでは遅いですね。最悪の事態になる前に、謙虚さを取り戻す
きっかけが欲しいです。


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【編集後記】

フェイスブックにも書きましたが、この週末、私はかなり料理をしました。

具体的には、

ニラが多めの餃子、エビとマッシュルームのアヒージョ風オイル漬け、トウモ
ロコシ2本使った卵スープ、餃子の具材で作った麻婆豆腐、余った餃子と野菜
のスープ、ナスの厚切りステーキ、そして食パンをオーブンで焼いてラスク風
にし、砂糖とバターと牛乳で作ったキャラメルソースに絡めたおやつ……など。

(ナスをごま油でじっくり焼き、ポン酢につけて食べる簡単レシピが意外と美
味しかった)

すべての料理が成功したとは言い難いですが、それでも集中して繰り返してい
ると、準備 → 調理 → 片付けなどの「ダンドリ」が少しずつ上手になってい
きますね。

複数の料理をマルチタスクで処理するとき、限られた台所スペースに、どのよ
うに材料を置くか、調理具を配置するかを考えようとします。

片づけをしながら料理するのが下手でしたが、それも少しずつできるようにな
ってきました。

もっと美味しいものを作りたい、もっと効率的に調理したい、冷蔵庫にある限
られた素材でできるものは何か? ……などと考えていると、楽しくなってい
きます。

「より成長したい」という意識をもって「場数」を踏んでいると、成長の実感
が感じられて楽しくなりますね。