2014年9月1日

「本気」である3つの証拠とは?【ユーティライゼーション】

● 今回のテクニック:【ユーティライゼーション(8)】

ユーティライゼーションとは「利用する」「活用する」という意味。相手の言
動の中に存在するものを効果的に利用して、無意識のうちに相手との信頼関係
(ラポール)を築くテクニック。

コミュニケーション技術としては、相手の口癖や、よく使う特異な表現・言葉
を活用することになる。そのためには、相手の言動をしっかりとキャリブレー
ション(観察)し、何気ない表現手法も見逃さない、聞き逃さない習慣が必要
だ。

高度なテクニックであるため、まずはバックトラッキングなどを無意識に使い
こなせるぐらいにまで練習してから、このユーティライゼーションに挑戦して
ほしい。(コミュニケーション版のミラーリング)


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「以前、ある研修に参加したら、その講師から、本気になったら自分が支払
うコストの量が増えるはずだ。そのコストとは『お金』『時間』『労力』の
3つ、と言われました」


マネジャー :
「ほう。確かに、そうかもな」


部下 :
「はい。お金もかけず、労力もかけずに何かを変えようとする人がいても、
本気度は伝わってこないですよね」


マネジャー :
「なるほど。逆に、その通りだな」


部下 :
「そうですよね、【逆に】。お金や労力をかけたら、その分だけ元を取りた
くなりますから」


マネジャー :
「確かに」


部下 :
「本気でやるのなら、それなりの投資が必要だ、ということだと思います。
本気で組織改革をするとか、本気で部下育成するという気持ちがあるなら、
お金、時間、労力は不可欠だ、ということでしょう」


マネジャー :
「そうだな、まあ……。逆に、そういうことも必要だろうな」


部下 :
「【逆に】そうですよね」


マネジャー :
「投資も必要か……」


部下 :
「他の課の課長が『改革するために、お金をかければいいってもんじゃな
い』と言ってたんですけど、もうその発言している時点で、本気で組織改革
をする気がないっていう証拠ですよね」


マネジャー :
「まあ、言えてるな。逆に」


部下 :
「そういう課長に限って、何か月たっても何もやろうとしないんです」


マネジャー :
「そうだろうな。逆に、そういう発言する奴ほど改革に後ろ向きっていう
か」


部下 :
「そうなんです。本気であれば、もっとワガママになると思うんですよね」


マネジャー :
「そうだな。俺の娘も高校卒業したらイギリスへ留学したいと言い始めても
う2年になる。最初はワガママだなと思っていたけれど、逆に、最近は本気
なんだなと思い始めた」


部下 :
「本気であれば、【逆に】長い時間、その思いは持続しますよね」


マネジャー :
「そうだな。逆に、誰かに何か言われない限り動けないような奴は、本気で
やってない、ということなんだろうな」


部下 :
「そうですね」


マネジャー :
「ところで君は何に本気なんだ?」


部下 :
「【逆に】知ってるでしょう、課長。私が本気なのは、何か」


マネジャー :
「新規事業の開発――」


部下 :
「そうです。もう2年ぐらい前からお客様にもヒアリングを続けています。
絶対にうまくいきますよ」


マネジャー :
「かなり勉強しているようだな」


部下 :
「関連の書籍は30冊以上、読みました。外の勉強会も参加して、人的ネッ
トワークも増えています」


マネジャー :
「逆に、そこまでやると、凄いと思うよ」


部下 :
「私の本気度を理解いただけますでしょうか」


マネジャー :
「そりゃあ、本気だということは、もうわかってる」


部下 :
「ということは、【逆に】私からの要望も聞いていただいてもいいですよ
ね?」


マネジャー :
「投資か?」


部下 :
「そうです。今年の3月にも言いましたが、そのための予算を確保していた
だきたいんです。部長に掛けあってください」


マネジャー :
「新規事業にはリスクが伴う。まずは500万円ぐらいで成果を出さないと、
部長も『うん』とは言わないだろう」


部下 :
「課長、500万円で何ができるんですか? 新規事業にもかかわらず短期
的な成果を求められると、【逆に】メンバーの士気が下がります」


マネジャー :
「それじゃあ、逆に、いくら欲しいんだ?」


部下 :
「最低でも2000万円は必要です。3年後には5億の売上。5000万円
の利益を見込んでいますし、その後も順調に売上を伸ばせられる算段です」


マネジャー :
「逆に、それぐらいないと、気合も入らんだろうなァ」


部下 :
「【逆に】そうですよ」


マネジャー :
「君の本気度はわかった。部長に伝えておくよ」


部下 :
「ありがとうございます!」


マネジャー :
「ところで、君は『逆に』『逆に』……とばかり使っているけれど、使い方
が間違ってるんじゃないかなァ」


部下 :
「ああ、そうですか……。気をつけます」



……本気であれば本気であるほど、その物事に対して潜在意識が焦点を合わせ
てしまうため、周囲への配慮を怠ってしまうことがあります。

常識という名のブレーキが効かなくなり、ワガママになるものです。

反対に、誰からも止められてもいないのに、自分でブレーキをかけてしまう人
は、まだ「本気度」が低いと言えるでしょう。

そのようなことをコラムに書きました。参考にしてください。


■ 「本気」になったら気を付けるべき2つのポイント
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140831-00038720/


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【編集後記】

皆さん、突然ですが「天狼院書店」ってご存知ですか?

「読書」に関する根本的な考え方を見直し、もっと楽しく、もっと自由に、創
造的な見地で書籍を親しもうと、いろいろなチャレンジをしている書店です。

昨年の夏にオープンしてもうすぐ1年となりますが、すでに相当メディアで取
り上げられています。

日経新聞の一面に取り上げられていたとき、本当に驚きました。「天狼院書店、
短期間でここまできたか!」と思ったものです。

オーナーの三浦さんとは、処女作「絶対達成する部下の育て方」を出す前から
ツイッターなどで交流があり、

出版した直後に編集の寺田さんを通じてお会いしました。

当時は小さな書店で働いていた三浦さん。私と会った時は気さくに話しかけて
くださいましたが、今では遥か遠くへ行ってしまったようで寂しい気持ちがあ
ります。

(私よりも8歳ぐらい年下なので、まだ35歳ぐらいかと思いますが)

その三浦さんが、突然8月30日に、以下のような記事を書いてアップされて
いました。

■ 天狼院書店はこれより「予材管理」を徹底して取り入れようと思います。
《『絶対達成する部下の育て方』横山信弘著を徹底的に使い倒す》
http://tenro-in.com/tsushin/7709

偶然、フェイスブックで見つけて、「いや~。まいったな。でも嬉しい」と思
いました。

私の書籍はともかく、天狼院書店をよろしくお願いします。場所はこちら。
http://tenro-in.com/kaisyaannai

素敵な人との出会いは、何年経っても色褪せないものですね。