2014年10月27日

「融通」の利かない人の問題点【ディレイテクニック】

● 今回のテクニック:【ディレイテクニック(10)】

ディレイテクニックとは、怒りを感じたとき、感情に任せて言葉を発しないよ
う、心のなかで別の事柄を思い浮かべて落ち着きを取り戻す方法。

イエスバット法を心掛けようと思っても、自分の感情をコントロールできない
と相手の言葉を「受け止め」にくい。

このためディレイテクニックなどを使って、自分自身を落ち着かせてから反論
する


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「本部長から、やはり来週の会議に出てほしいとのことだ。予定をしておい
てくれ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「ほら、来週の会議だよ」


部下 :
「何を言ってるんですか。本部長自身が出なくていいと私に言ってきたんで
す」


マネジャー :
「そうだけど……。お前に出てほしいんだろ」


部下 :
「出ませんよ」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「新しい事業のために、食品業界に絞り込んで新規開拓をしてくれと本部長
は言いました。だから私は昨年の10月から6ヶ月間、毎月60社を定期的
に訪問活動してきました」


マネジャー :
「そう、そうだ。何度も聞いたよ」


部下 :
「ところが、なかなか結果が出ないとわかると、いつまで食品業界にこだわ
ってるんだ、他の業界にも目を向けろと本部長は言ってきました。ですから
今年の4月から他の5業界にも目を向けて、毎月90社、訪問活動を続けて
きました」


マネジャー :
「そう、そうだな」


部下 :
「ところが、なかなか結果が出ないとわかると、本部長は既存顧客をまわっ
ていない私に雷を落としたんです。それが先月末の会議です」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「お前なんて2度と営業本部の会議に顔を出すな、部長や課長が全員いる中
で言われたんですよ。絶対に、その会議には行きません」


マネジャー :
「君の気持ちはわからないでもないが、わかるだろう。本部長はああいう性
格なんだから」


部下 :
「冗談じゃありませんよ。本部長は言ってることがコロコロ変わるので、私
は言いつけられたこと、すべて文書にして本部長に渡しています」


マネジャー :
「確かに、その……」


部下 :
「本部長と話をしていても会話が噛み合わないんですよ。昔自分が言ったこ
とを忘れて、いま自分が関心あることしか話さないじゃないですか」


(怒)マネジャー :(心の中で)
 カーッと怒りが湧き上がってくるのを抑えようとする。
(クライマックスシリーズ広島戦の阪神先発はメッセンジャー、それに能見
……)


マネジャー :
「そこまで言う必要はないだろう。既存顧客のフォローを一切していなかっ
たという事実は、本部長でなくとも、私だって驚いたよ」


部下 :
「何を言ってるんですか。新規開拓に注力するなら、既存顧客の対応がおろ
そかになるのは当たり前ですし、そのことも本部長に伝えてますよ」


(怒)マネジャー :(心の中で)
 カーッと怒りが湧き上がってくるのを抑えようとする。
(CSファイナルステージの阪神の先発は、藤波、岩田、メッセンジャー、
能見……)


マネジャー :
「君の仕事は目標予算の達成だ。目標がなかなか達成しないから、新事業で
新しい顧客を掴めと本部長が言ったんだ」


部下 :
「ですから、言われたとおりに新事業を一所懸命やってきたじゃないですか。
それは課長だってわかってるはずです」


マネジャー :
「わかってるよ」


部下 :
「新事業のための顧客開拓だけに専念していいんですね、と聞いたら、本部
長はそれでいいと言いましたよ」


(怒)マネジャー :(心の中で)
 カーッと怒りが湧き上がってくるのを抑えようとする。
(ソフトバンクとの日本シリーズの阪神先発は、メッセンジャー、能見…
…)


マネジャー :
「じょ、冗談じゃない。たとえ本部長がそう言ったからといって、君の既存
顧客は45社もあるんだ。そのケアを怠っていいだなんて、あり得ないだろ
う」


部下 :
「本部長に確認してもらいたいですが、本部長と話をしていても、いつも会
話が歪んできます。本部長の頭も歪んでいるんです。ですからもう話もした
くありません」


マネジャー :
「会話が歪んでいるのは君のほうだ」


部下 :
「ええっ!?」


マネジャー :
「思考が歪んでいるのも君のほうだ」


部下 :
「どうしてですか」


マネジャー :
「君は融通が利かなさすぎる。そして表面的な言葉しか捉えていない。本来
の目的を見失っているから、相手の言うことがコロコロ変わっているように
見えるんだ」


部下 :
「……ちょっと待ってくださいよ」


マネジャー :
「本部長の発言は確かにコロコロ変わる。しかしそれは枝葉だ。風が吹けば
枝葉が揺れるのは当然だ。しかし幹はまったくぶれていない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「もっと順応性を高めてくれないと困る。お客様に対する対応も、常に杓子
定規だ」


部下 :
「本部長が揺れるたびに、私も揺れたらいいんですか」


マネジャー :
「揺れるのは枝葉だけだ。違うか」


部下 :
「そう、ですね」


マネジャー :
「枝葉までガチガチに固まっていたら強い風をまともに受けて、根こそぎ倒
れてしまうぞ」



……融通が利かない人は、表面的な言葉のみをとらえ、柔軟性をなくしてしま
う可能性があります。

その言葉の奥にどんな意味があるのか、先を見通す力が失われていくのです。

方針転換を繰り返すマネジャーも問題ですが、それを杓子定規にとらえて批判
するばかりでは、組織の空気はいつまで経ってもよくなりませんね


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 【58点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ちょうど1ヶ月前に、大阪投資育成のマネジャー特訓コース(6ヵ月間)が終
了し、受講者とともに打ち上げがありました。

そのとき、私が阪神ファンということもあり、タイガースの話で盛り上がりま
した。

「横山先生、ペナントレースはあかんかったですけど、日本シリーズで優勝す
りゃあ、ええやないですか。それで阪神ファンはハッピーなんですわ」

と言い、「ワハハハハハ」と高らかに笑っていた部長さんがいらっしゃいまし
た。

私は「そうですよねェ」と言いながらも、心の中で「日本シリーズで優勝なん
て、1%の可能性もないでしょう」なんて、思っていました。

しかし……

ご存知のとおり、阪神タイガースは無敗で日本シリーズに勝ち進み、宿敵?
ホークスと戦っています。

幼いころから阪神ファンの私には、奇跡? だと思っています。いまだに信じ
られない気持ちでいっぱいです。

タイガースのすべての選手を応援していますが、特に岩田投手には頑張っても
らいたいです。

高校時代から1型糖尿病を患い、1日4回のインスリン注射が欠かせないと聞
いています。同じ病の人たちのためにも応援したいです。