2014年10月31日

「そこまでするか?」と上司に言わせる快感【ミステイク・オン・パーパス】

● 今回のテクニック:【ミステイク・オン・パーパス(9)】

ミステイク・オン・パーパスとは、わざと事実と異なることを言って相手に修
正させ、リーディングする技術。

相手に確認したくても確認しづらい場合などに使うと効果的である。

たとえば、相手に依頼したことでまだ着手さえもされていないとわかっている
場合に、「どうもありがとう、けっこうはやく終わったみたいだね」とわざと
言ってみる。

すると相手は「あ、まだやっていませんが」と素直に答えるだろう。「依頼し
たことをやったのか、どうなのか」と質問するよりも「カド」は立たない。

押しの弱いマネージャにお勧めしたいテクニック。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「11月から私が新しく君の上司となる。よろしく頼むよ」


部下 :
「支店長、よろしくお願いします」


マネジャー :
「私は何事に対しても先入観を持たないようにしている。人にレッテルを張
るのはよくない」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「他人の噂話など、気にしない。自分の目で確認しなければ、わからないこ
とが多々ある」


部下 :
「私もそう思います」


マネジャー :
「前の支店長が言うには、君はなかなかお客様のところへ行かないそうじゃ
ないか。本当にそうなのだろうかと思い、朝からずっと君のことを見てきた
が、出社してからパソコンの画面ばかり見ている。もう11時半だ。いつに
なったらお客先へ出かけるんだ」


部下 :
「13時にアポイントがありますので、その時間に間に合うよう、事務所を
出ます」


マネジャー :
「それで午前中は事務所の中なのか?」


部下 :
「そうですね」


マネジャー :
「前の支店長の言っていたとおりだな。どうも君はお客先へ行きたがらない
性格のようだ。いいか、私が支店長になった以上、行きやすい先ばかりには
行かせないぞ。覚悟しておくんだな」


部下 :
「かしこまりました」


マネジャー :
「返事だけはいいな。最初のうちは厳しく、君も苦労するかもしれないが、
大丈夫だ。半年ぐらいすれば私のやり方にも慣れてくるから」


部下 :
「ところで、決済していただきたいことがあるのですが、新しい支店長にい
えばいいのでしょうか?」


マネジャー :
「おう。私でかまわん。なんだ?」


部下 :
「午前中に、4種類の案件申請書を作りました。目を通していただき、問題
なければ部長に承認申請をお送りします」


マネジャー :
「案件申請書? 確か1000万円を超えなければ案件申請なんてしなくて
いいはずだが……。この支店には別の基準があるのか?」


部下 :
「いえ。同じです。1400万円の案件、1250万円の案件、3070万
円の案件、4700万円の案件の4つです」


マネジャー :
「え? え? え? え? 何それ?」


部下 :
「A社に1400万円の見積りを提示しています。B社には1250万円、
C社には3070万円の案件、D社には4700万円の案件の見積りを出し
ています」


マネジャー :
「な、な……何だって? 見積りを出すのは勝手だが、そんな大規模案件の
見積りをジャンジャン出してしまっていいのか?」


部下 :
「すべて受注できる見通しです」


マネジャー :
「ええっ!? ……確かこの支店の営業の目標は全員2億円だろう? そん
な案件がボンボン決まったら、すぐに達成していまうだろうが」


部下 :
「そうかもしれません。昨年度も目標2億のところ、8億2000万円の実
績でしたから」


マネジャー :
「……え」


部下 :
「明日までに、後2つ案件申請書を作りますので、そちらも目を通していた
だけませんか。2100万円の案件と、4900万円の案件です」


マネジャー :
「き、君のように、お客先に全然行かず、どうしてそんな大規模な仕事がと
れるんだ?」


部下 :
「私は1日に8件の既存顧客の訪問、100件の既存顧客の電話フォローを
しています。新規顧客へは1日22件の訪問です」


マネジャー :
「え……。だって、今日は朝からずっと事務所にいたじゃないか」


部下 :
「この3日間、ほとんど夜中まで客先で作業をしていました。今日も朝の2
時までD社にいました。その後、サウナへ行って仮眠し、そのあと出社した
のです。前の支店長から、案件申請書がたまっているから出しておけと言わ
れたので、先ほどまで資料作りをしておりました」


マネジャー :
「夜中まで客先にいる? しかも毎日?」


部下 :
「私のお客様の工場はだいたい24時間稼働しています。私は日中のほとん
どを営業活動に費やしていますので、お客様にワガママを言って、夜中に現
場の工場を拝見させていただいています」


マネジャー :
「……」


部下 :
「支店長のおっしゃるとおり、やはり現場にいるといろいろな案が浮かんで
きます。工場長などと夜中じゅうに話し込み、どんな提案なら仕事をいただ
けるか一緒に考えてもらっています」


マネジャー :
「家には帰っていないのか?」


部下 :
「1週間に2度ぐらいは帰ります。サウナで仮眠するのに慣れてるから大丈
夫ですよ。それにまだ24歳ですし。30歳までは修行です」


部下 :
「24歳? 24には見えないな……」


マネジャー :
「ああ……。髪をちょっと染めてるんです。少し白髪が混じったほうが、老
けて見えるでしょう? 24歳の若造だと思われると、お客様になめられる
ので」


マネジャー :
「ど、どうしてそこまでするんだ?」


部下 :
「どうしてそこまで……? じゃあ、お聞きしますが、どうしてそこまでし
ないんですか?」


マネジャー :
「え」


部下 :
「今回の支店長も、私と現場まで足を運んでくださるんですよね。ありがと
うございます。以前の支店長からそのようにお聞きしております」


マネジャー :
「え、私が?」


部下 :
「違うんですか?」


マネジャー :
「ええと……」


部下 :
「自分の目で確認しなければ、わからないことが多々ある、と先ほどもおっ
しゃられていました。夜遅くまでお付き合いいただくこともあるでしょうが、
どうぞよろしくお願いいたします」


マネジャー :
「あ、ああ……。ところで、全然お客先に出向かない営業がいると、聞いて
いたが……」


部下 :
「おそらく、それは、私のことではない、と想像しますが」



……圧倒的な結果を出し、

上司から「そこまでするか?」「そこまでやらなくてもいいよ」「どうしたら
そこまでできるんだ」と言われる快感を、

多くの人に味わってほしいと思います。

上司からのそれらの言葉が、「報酬系」と呼ばれる脳の神経系を刺激し、さら
に意欲的になるからです。

(もちろん、体力的に無理なことをする必要はありません)


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 【66点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

今週は、福岡、岡山、仙台……と大規模講演が続いています。

それぞれ「225名」「153名」「69名」の出席者があり、私が名刺交換
した方の総数は、244名(114+102+30)でした。

東京、名古屋、大阪、以外でも、かなりの方が足を運んでくださいます。

本当に嬉しいですね。

大勢の方々のエネルギーをもらい、私の脳の「報酬系」が刺激され、ますます
意欲がアップします。

(阪神タイガーズは残念ながら負けてしまいましたが……)