2014年11月17日

ホームページやメルマガの効果がドンドン落ちる原因【社会的手抜き】

● 今回のテクニック:【社会的手抜き(3)】

社会的手抜きとは、集団心理のひとつ。集団の構成員が増えれば増えるほど、
無意識のうちに「手抜き」をしてしまうこと。

「社会的怠惰」「傍観者効果」とも呼ばれる。

会議や商談など、人が増えれば増えるほど意見やアイデアが出づらくなるのは、
「社会手抜き」という集団心理が影響していると覚えておこう。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「今回、ホームページのリニューアルにかかる費用は、こちらになります」


マネジャー :
「850万円?」


部下 :
「はい。サイトリニューアルのみならず、SEO対策などを継続的に支援し
てもらうと、それぐらいのコストになるようです。3社、見積もりをとって
一番信頼性の高いところを選びました」


マネジャー :
「……」


部下 :
「そのWEB製作会社の会社案内はこちらで……」


マネジャー :
「いいよ、そんなことは」


部下 :
「え」


マネジャー :
「本当にホームページをリニューアルする必要があるのか?」


部下 :
「部長、これは営業部からずっと催促されてきたことです。企画室としても、
いろいろと調査し、この時期にリニューアルすることが妥当だと判断しまし
た」


マネジャー :
「この時期が妥当? 時期が関係あるのか?」


部下 :
「当社のホームページは5年前に全面刷新しています。もうずいぶん古くな
ってるんです」


マネジャー :
「社用車じゃないんだ。古いからといって、ホームページを刷新する論拠と
なるのか? ロジカルシンキングの勉強をしたまえ」


部下 :
「もちろん古いからだけで刷新するわけではありません」


マネジャー :
「ホームページの資料請求の件数が落ちている。これが論拠だろう?」


部下 :
「はい。3年前の資料請求の件数が138件、2年前が89件、今年が43
件と、急激に落ちています。ホームページの内容は企画室で随時メンテナン
スをしていますが、それだけでは限界なのです」


マネジャー :
「メルマガもやっていたな?」


部下 :
「はい。月に2通、企画室からメルマガを発行しています。登録件数が40
00名からずっと横ばいで、その効果も落ちてきています」


マネジャー :
「そのせいで先日のイベントの集客も激減した、と言っていた」


部下 :
「そうなんです。3年前は盛況だったのに、とりわけメルマガの力は落ちて
きています」


マネジャー :
「さっきの資料請求の件だが、資料請求をしてきたお客様への一次フォロー
スピードと件数、そのフォロー継続状況を把握しているか?」


部下 :
「え。……一次フォロースピードに件数?」


マネジャー :
「ホームページを見て資料請求をしてきたお客様へ、どれぐらいのスピード
で初動フォローしているか、だ。そしてフォローの件数だよ」


部下 :
「ええと。それは営業部がやることで、企画室は把握していませんが……」


マネジャー :
「一次フォローは企画室で受けて、その後、営業部へまわすオペレーション
になっている。1年半前からこのルールで運用しているはずだ」


部下 :
「そうでしたか……。一度確認しておきます」


マネジャー :
「一度確認しておきます、か。君は企画室の室長なのに、まるで評論家のよ
うな言い分だな」


部下 :
「申し訳ありません。私は半年前に室長になったばかりで、まだ十分に引き
継ぎができていないんでしょう。私の力不足です」


マネジャー :
「イベントの集客が減っている、という話だったが、イベントの集客のため
の活動のうち、ホームページやメルマガがどれぐらい集客に寄与していたん
だ」


部下 :
「え……。そりゃあ、ほとんどホームページやメルマガによって集客される
のではないのですか?」


マネジャー :
「……」


部下 :
「違うのでしょうか。申し訳ありません。営業部の課長にもヒアリングした
のですが、全員そのように言っていたものですから……」


マネジャー :
「企画室の今期の目標を言えるか?」


部下 :
「今期の目標ですか? ええと、すぐには出てきませんが、ある程度は把握
しています」


マネジャー :
「……」


部下 :
「申し訳ありません。半年前に室長になったばかりで、いろいろとわからな
いことばかりで」


マネジャー :
「私が管理部の部長になったのも、半年前だよ」


部下 :
「あ、そういえば、そうでしたね……ハハ」


マネジャー :
「笑いごとではない。自分の組織の目標さえ言えないから、『感度』が鈍く
なっていくんだ。君は営業部の課長と話をしていても話は噛み合うだろう」


部下 :
「そ、そうですね。私も以前、営業部の課長をしていましたから」


マネジャー :
「違う。お互い『感度』が低いからだ」


部下 :
「え……!」


マネジャー :
「営業部の部長とはウマが合わない。違うか?」


部下 :
「それは、課長時代から、そうでして……」


マネジャー :
「営業部の部長は『感度』が高いからだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「ホームページで資料請求があったとき、以前は営業部がすぐに対応してい
たが、2年前に企画室ができてからその作業が移管された。最初のうちは初
動スピードが速かったが、だんだん遅くなり、最近は全然やっていない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「イベントの集客もそうだ。昔は営業部が率先して電話がけをしたものだが、
今はホームページやメルマガに頼り切っている。受け身になり『感度』が低
くなったからだ」


部下 :
「そう、いえば……」


マネジャー :
「『社会的手抜き』という現象だ。人が増えたり、部署が新設されると、無
意識のうちに手を抜いてしまう。よほど意識をしないと、組織の空気は緩ん
でくるぞ」


部下 :
「も、申し訳ありません」


マネジャー :
「来年1月から企画室を営業部と統合する。ホームページのリニューアルは
全員の『感度』がアップしてからだ」



……広告やチラシ、ホームページやメルマガといった「言語データ」に頼って
いると、どうしても「受け身」になります。

「受け身」の姿勢だと「感度」が鈍くなり、「感度」が鈍くなると「認知力」
が落ちます。そして人の話を正しく「認知」できなくなります。

「言語データ」に依存していても、効果は落ちていくばかりです。その理由を
コラムで解説しました。


■ キャッチコピーは、なぜ効果がなくなってくるのか? 3つのポイント
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141116-00040749/

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 【48点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

最近、本当に、つくづく思います。

「言語データ」だけで勝負していると、徐々に効果がなくなっていく、という
ことを。

広告代理店も焦っています。

どんな大きな企業でも、広告やDM、メルマガ、ホームページの力が落ちてい
るのです。コラムにも書いた『刺激馴化』です。

「情報過多」の時代となり、多くの人が刺激に鈍感となってきました。

12月6日に発売される新刊「空気でお客様を動かす」で、キャッチコピーや
セールストークという「言語データ」に依存せず、

どのように「空気」を作ってお客様を行動伝染させるか、を書きました。

私の書籍の中で、唯一、あまり「耳の痛い」ことが書いていない内容となりま
した。