2014年12月25日

今年のラストメッセージ「達成主義者」をめざせ!【刺激馴化】

● 今回のテクニック:【刺激馴化(10)】

刺激馴化とは、刺激にさらされつづけるとその刺激に順応してしまい、徐々に
特定の反応を示さなくなる現象をいう。

どんなに嫌な刺激も、馴れることで回避されていく傾向にある。

たとえば、最初は気が進まない事柄であったりしても、無理やりにでもスター
トして回数を重ねてしまえば、自然と体が慣れてしまって嫌な気分にならなく
なったり。(たとえば早起き。ジョギングなど)

たとえば、最初は怖い人だなと思い込み、できれば会わないままにしておきた
いと考えていた人とも、面談回数を重ねていくことによって、それほど気にな
らなくなったりすることがある。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長は、どんな手帳を使っているんですか」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「今年1年を振り返っての自分の反省点は『計画性のなさ』です。来年こそ
は、もっと計画的にやっていきたいのです」


マネジャー :
「それで?」


部下 :
「そのために手帳を変えようかと思ったんです。先日、本屋へ行ったら手帳
がずらりと並んでいたので、このタイミングで手帳を買おうかと」


マネジャー :
「ふーん」


部下 :
「課長はマネジャーをしながらも、圧倒的な結果を残しているじゃないです
か。まさに当社の『リアルトップセールス』です。課長が使ってる小物も真
似したいんです」


マネジャー :
「手帳は、俺も毎年買うんだけど、1月中しか使わない。すぐに使わなくな
ってしまうんだ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「だって、手帳って面倒だろう?」


部下 :
「面倒って……」


マネジャー :
「手帳をキッチリつけている人を見ると憧れるよ。でも、どうしても真似で
きない」


部下 :
「え? え? え? え? た、確か、先日、フランクリン何とかっていう
手帳を持ってたじゃないですか」


マネジャー :
「フランクリン・プランナーだよ。『7つの習慣』で有名な」


部下 :
「そうでしょう? アレですよ、あの手帳。やっぱり、アレはいいです
か?」


マネジャー :
「もちろん、いいだろう。ものすごく緻密に管理できる。君にお勧めできる
よ」


部下 :
「課長は、やはりフランクリン・プランナーでしたか。さすが、できる人は
使ってる手帳が違いますね」


マネジャー :
「だ、だからァ……。手帳は毎年変えてるって言ったじゃないか。長続きし
ないんだよ」


部下 :
「え、だって、さっき」


マネジャー :
「お客様の前に出るとき、手帳の一つもないとカッコ悪いから、昔使ってた
手帳を引っ張り出しただけだ」


部下 :
「じゃあ、フランクリン・プランナーはイマイチなんですか?」


マネジャー :
「イマイチどころか、素晴らしい手帳だよ。他にもたくさん、いい手帳はあ
るけど、何を使っても長続きしなかった。これは手帳のせいじゃない」


部下 :
「じゃあ、スマホとかを手帳の代わりにしているんですか?」


マネジャー :
「スマホはほとんど使わない。知ってるじゃないか」


部下 :
「そうですよね、課長は電話とショートメッセージしか使わないですよね」


マネジャー :
「スケジュールは会社のソフトで管理している。メモは小さなメモ帳を持ち
歩いているだけ」


部下 :
「タスク管理とかは、どうしてるんですか」


マネジャー :
「ソコだよなァ……。そこをキッチリしたい。私は全然、タスク管理ができ
てないから」


部下 :
「課長が……?」


マネジャー :
「そうだよ。まァ、管理するタスクもそんなにないけど」


部下 :
「でも課長って、めちゃくちゃ結果を出している割には、残業とかほとんど
しないですよね? 夜はフットサルをやってると聞いたし、週末も家族で過
ごされていますよね」


マネジャー :
「最近の週末は、だいたいスノーボードに行ってるかな。家族でよく出かけ
るよ」


部下 :
「それじゃあ、相当、緻密に自己管理をしているんじゃないんですか?」


マネジャー :
「だから、してないって」


部下 :
「してない?」


マネジャー :
「面倒なんだよ。とにかく面倒なのは嫌い」


部下 :
「でも、圧倒的な結果を出してるじゃないですか」


マネジャー :
「面倒くさいからだよ」


部下 :
「はァ?」


マネジャー :
「結果を出してないと、社長や部長から、打合せに呼ばれるし、分析資料だ
の作れと言われる」


部下 :
「圧倒的に結果を出してると、そういうことを言われなくなりますか?」


マネジャー :
「何も言われないね。ほとんど放置されてる。『君には……言うことがない
な』って」


部下 :
「『言うことなし』と上司に言われるなんて、サイコーですね。超・憧れま
す」


マネジャー :
「テキトーにやって、めちゃくちゃ結果出してりゃ、それでいいんじゃない
の」


部下 :
「すげー……。言ってみたい……」


マネジャー :
「記憶装置を3つに分解している。短期記憶と長期記憶と外部記憶の3つだ。
短期記憶は『ワーキングメモリ』のこと。私はワーキングメモリだけに入る
ことをやってるだけ」


部下 :
「ワーキングメモリに……?」


マネジャー :
「ところで君は、今年の目標達成のために何をやろうとしてたの?」


部下 :
「ええっと……。確か、目標管理シートに記載したはずなので、それを見れ
ばわかります。ちょっと見てきていいですか?」


マネジャー :
「ダメだよ」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「シートを見ないとわからないだなんて、外部記憶に頼ってる証拠だ」


部下 :
「……!」


マネジャー :
「私はすぐに言える。今期は10社の新規顧客の開拓。そのための新規アプ
ローチ社数は500。毎日電話50本。5件の新規訪問がアベレージ。『見
込み客』を50社保有し、下回らないように既存顧客への電話は週50本を
継続」


部下 :
「……」


マネジャー :
「常に自分のワーキングメモリに入ってる。それを、ただ繰り返しているだ
け」


部下 :
「課長が毎日50本の電話と、5件の訪問……。既存顧客も膨大に持ってる
はずなのに」


マネジャー :
「繰り返していると刺激に慣れていって体が覚えていく。体が慣れてしまっ
たことは意識しなくてもできるから、手帳などで自己管理しなくてもよくな
る」


部下 :
「ワーキングメモリに格納できるだけのことに焦点を合わせて、とにかく繰
り返すってことですか」


マネジャー :
「タスク管理もスケジュール管理も、あんまりやってる暇がない。重要な行
動指標を、ただ大量にやってるだけだ。非効率的かもしれないけど、結果的
に残業もしてないから、いいんじゃないか」


部下 :
「部下のマネジメントもキッチリされてますよね?」


マネジャー :
「移動中に電話で確認かな。部下と会議もしないし、資料も作らせない。部
下がすべき行動指標も全部、脳のワーキングメモリの中に入ってる。そこに
蓄えられないような細かい情報を知っても管理できないだろう?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「コツを教えようか?」


部下 :
「はい! ぜひ!」


マネジャー :
「100とか、500とか、1000とか、覚えやすい、大胆な数字を目標
に掲げることだ。覚えやすいからこそ、ワーキングメモリに蓄積しやすくな
る。私はだいたい5とか、50とか、500とか、の数字を意識する」


部下 :
「な、る、ほど。緻密に計算して仮説を立てると覚えづらいので、資料を確
認しないとわからなくなるんですね」


マネジャー :
「そう。緻密に計算する姿勢に憧れるけどね……。どうも面倒くさがりだか
ら……」


部下 :
「なんか、カッコいいですね、課長」


マネジャー :
「何度も言うように、本当は、手帳とかスマホのガジェットとかを有効活用
して、もっと緻密に、精巧に仕事をしたいんだよ」


部下 :
「課長に計画性がなかったとは……」


マネジャー :
「どうしても緻密に計画を立てられない、大ざっぱな性格なら、私みたいに
大胆になることだ。『大胆不敵』と言うだろ? 精神的にもラクだ」



……今年は150以上のコラム記事を書いてきました。

その中で、最も、私自身が腹に落ちたコラムを紹介します。「達成主義者」の
生態を、これからも研究し、明らかにしていきたいと思っています。


■ 大ざっぱな「達成主義者」と、緻密な「完璧主義者」、ストイックな「記
録主義者」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141217-00041571/


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 【34点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

あんまり書きたくないのですが、実のところ、私も手帳を持っていません……。

先日、取材を受けているときに、「横山さんが使っている、こだわりの文具と
か、手帳とかを紹介してもらえませんか?」と言われたとき、非常に困りまし
た。

実際は、レイメイ藤井の「ダ・ヴィンチシステム手帳」を愛用していたので、
今もこれを持ち歩いているのですが、ほとんどの場合「飾り」です。

(ダ・ヴィンチのシステム手帳は、色や革が異なる6種類を持っています)

私の部下でも、私が手帳に何かを書き込んでいる姿を目撃したことはないはず
です。

手ぶらだとカッコがつかないので「飾り」で持ち歩いているだけだからです。

年の瀬となり、毎年のように手帳をどうしようかと悩むのですが、何を買って
も結局、長続きしません。

このズボラな性格をどうにかしなきゃ、と日々悩んでいるのですが、

こちらのコラムを書いてからスッキリしました。

■ 大ざっぱな「達成主義者」と、緻密な「完璧主義者」、ストイックな「記
録主義者」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141217-00041571/

「別にいいか、目標ははるかに達成してるんだし。タスク管理ができていない
ので、部下には迷惑かけるけど……」

と思えるようになったからです。

昨日も、保険会社の取材を受けていて「横山さんの、こだわりの小物を見せて
ください」と言われ、

ロディアNo.11のブロックメモ帳を取り出しました。

それしか持っていない、と言うと、取材に来られていた3名の方々全員が驚か
れていました。

そんな人、取材したことがない、ということなのでしょう。

もちろん自慢にならないので、キチンと手帳ぐらい使いたいとは思っています。

来年のチャレンジ項目ですね……。