2014年12月29日

今年の一番の「気付き」を書きます。【時間的フレーミング】

● 今回のテクニック:【時間的フレーミング(15)】

時間的フレーミング(テンポラルフレーミング)とは、時間の単位を変えて表
現することにより、敢えて物事の捉え方を変えさせることをいう。

大きな期間で表現するよりも、小さな時間の単位で伝えたほうが、より具体的
で身近に感じられるため説得効果が高まる。

会議の終了間際にコミットメントをとる場合に使うと、非常に有効である。誰
でも簡単に使えるテクニックであり、セルフコーチングにも役立つ。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「あれ? 今日はもう冬休みだろう。オフィスに何か忘れ物でもしたのか」


部下 :
「いえ、そうではなくて、課長とゆっくり話がしたかったのです」


マネジャー :
「え、俺と?」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「どうした」


部下 :
「こういうときでないと、なかなか話が進まない気がするんです」


マネジャー :
「確かに、そうだな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「どうした?」


部下 :
「……今年は、例年になく、課長と、よくぶつかった年でした」


マネジャー :
「そうだなァ。けっこうやり合ったな」


部下 :
「何度も飲みにいったり、週末も家族同士で交流したりしているのに、なん
か意見が対立しますよね?」


マネジャー :
「うん……。私が早とちりだから、かもしれません」


部下 :
「そうだと思います」


マネジャー :
「ハッキリ言うね、君も……」


部下 :
「いや、本当にそうですよ。いつも話半分に聞いて、ダメだしするじゃない
ですか。誤解が多すぎますよ」


マネジャー :
「うーん、そういうつもりはないんだが」


部下 :
「この週末いろいろ考えて、課長とどうして話が噛み合わないのか、わかっ
た気がします」


マネジャー :
「え? なんでだ」


部下 :
「いつも雑談するように、話すからダメなんじゃないでしょうか」


マネジャー :
「はァ?」


部下 :
「私と課長って、同じ部署になってもう7年ですよ。腹を割って話すことが
できるのはいいことですが、無駄な話も多すぎますよね」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「正直、会議中とかも、無駄な話が多すぎませんか?」


マネジャー :
「それは、言えてる」


部下 :
「ちょっとしたミーティングでも、表面的な話が多すぎますよ。きっと」


マネジャー :
「うーん、言えてるかも」


部下 :
「毎日、喫煙ルームでけっこう喋ってますよね? 営業同行しているときも、
道中で喋ってますよね」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「週に3回は一緒に飲みに行きますよね?」


マネジャー :
「行く行く」


部下 :
「にもかかわらず、私は冬休みに入っても、こうして課長のところへ来て話
をしたくなるんです」


マネジャー :
「うーん、なんでだ? 俺のことが好きなのか? ん?」


部下 :
「出た」


マネジャー :
「あ?」


部下 :
「そういう話のフリがダメなんです。今日は乗っかりませんよ」


マネジャー :
「マジメな話が苦手なんだよ、俺は」


部下 :
「マジメな話も必要ですよ。1割から2割ぐらいはマジメに話さないと」


マネジャー :
「じゃあ、どうすればいいんだ」


部下 :
「もっと具体的に数字を使って話しませんか。そのほうが効率がいい会話に
なると思います」


マネジャー :
「数字を使って話をすると言っても、俺って文系だっただろ? 前も言った
とおり、高校時代の数学の先生が苦手でさ。名前が変わってて……くくくく
っ、なんていう名前だか知ってる?」


部下 :
「もういいです、もういいです。今日は脱線させませんよ。冬休みにオフィ
スまで来てるんですから」


マネジャー :
「あ、そうなの……」


部下 :
「今年最後の会議で、来年は新商品を絶対に売り切る! って課長は宣言し
ていましたが、具体的にどうするんですか?」


マネジャー :
「どうするも、こうするも……。とにかく結果を出さないといけないだろう。
今回の新商品に対する社長の並々ならぬ思いを知ってるか? あの社長自ら
が商品開発に携わってだな――」


部下 :
「わかりました、わかりました。話を脱線させないでください。新商品を売
り切るためにどうするんですか、と質問しているのに、『とにかく結果を出
さないといけない』という返事では、話が前に進みません」


マネジャー :
「じゃあ、どう言えばいいんだよ」


部下 :
「ですから、数字を使って言うんですって」


マネジャー :
「新商品で1億は作る。今回の設備が1台100万円と計算すると100台
売ればいいことになる。1年で100台売ればいいんだ」


部下 :
「1台売るのに、どれぐらいの商談リードタイムがかかるでしょうか」


マネジャー :
「そうだなァ、そんな簡単に売れるものじゃないから、最初の接点から2ヶ
月ぐらいと考えたらいいんじゃないか。すぐに売れる場合もあれば、4、5
ヶ月かかるときもある」


部下 :
「今回の新商品を紹介して売れる確率は、何社に1社ぐらいだと思います
か?」


マネジャー :
「……10社に1社?」


部下 :
「10%ですか」


マネジャー :
「うん……。現実的に、それぐらいだろう。顧客を絞り込んでも、それぐら
いの確率だと思う」


部下 :
「当社の設備は、1社に3台も5台も売れませんから、100台売るために
は、最低でも1000社にアプローチしないといけませんね」


マネジャー :
「そうだな。しかも来年中に100台を100社に買ってもらわないといけ
ない、ということになる。ということは……」


部下 :
「最低でも、9月か10月までには最初のアプローチを終わらせておかない
といけません」


マネジャー :
「12月に契約をもらうことは、過去ほとんどない。ということは9月だ。
9月までに1000社に対して最低限のアプローチを終わらせておかなくて
はいけない。しかも、まだ扱ったことのない新商品だから、はやめはやめに
実行しないと、全営業に売り方を徹底させることは無理だ」


部下 :
「じゃあ、8月までに1000社まわる、ということにしませんか」


マネジャー :
「すると、8ヶ月で1000社か。1ヶ月で125社。営業が5人だから1
ヶ月で1人25社をまわらないといけない。既存顧客もあるし、新規アプ
ローチ先で商談化すれば負担は増える。ということは……」


部下 :
「もっともっと前倒しで動いたほうがいいですよ。1月から1人30社ぐら
いは行かないと。最初は新商品の商談は少ないでしょうから」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なんか、焦ってきた」


部下 :
「新年明けたら、すぐにリストアップしましょう。1000社のリストアッ
プ……」


マネジャー :
「え? リストアップって、どこにそんな顧客リストがあるんだ?」


部下 :
「それを調査するのに、何週間か、かかりますよ」


マネジャー :
「おいおいおいおい、こんな悠長なこと、やってられん。どうしてだ。来年
は新商品を絶対に売らなくてはならないと、今年の8月から言われて、ずっ
と会議で議論してきたのに……」


部下 :
「定例会議を1週間に1回やってきましたよ。年末までに、合計13回もや
ってます」


マネジャー :
「……なんて、非効率的な議論をしてきたんだ。こんなこともわからなかっ
たなんて」



……この約1ヶ月以上、「話を噛み合わせる」というネタで、10以上のコラ
ムを私は書いてきています。

その総決算的な内容が「会話効率」をアップさせる、という記事です。

「作業効率」と比較して「会話効率」が悪いと、精神的なダメージにも影響し
ますので気を付けたいですね。

私にとって、今年一番の気付きが、この「会話効率」です。


■「会話効率」をアップして、時短と目標達成を両立するテクニック
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141226-00041809/


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 【31点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ほん…………とに、心の底から思いますが、コミュニケーションというのは、
リアルタイムに、双方向で、やらないとダメだなと思います。

会ったこともない人と、ネット上で、しかも時間差のあるコミュニケーション
媒体で会話しても、話が噛み合わないことが多いのです。

書籍を書いたり、コラムを書いたり、メルマガを出し続けてきて、痛感します。

よくもまァ、こんな風に誤解・曲解できるものだな、と感心することが。

コラムにも書きましたが、ひとつの「キャッチワード」から空想を広げ、相手
の話の前提条件を書き換えてレスポンスるするのが、一番「話がこじれる」パ
ターン。

ネット上の、知らない者同士の会話なら、片方がスルーすればいいのですが、

組織内で問題を解決したい、目標を達成させたいときに、このような「会話の
ゆがみ」があると、全然話が前に進みません。

話が前に進まないだけでなく、話がこじれると、お互い感情的になってしまう
ことも多く、人間関係を悪くすることにもつながります。

私たちコンサルタントは、どのように双方の話を「噛み合わせるか」、もっと
もっと意識しないといけない、と考えます。

あたりまえのことかもしれませんが、私にとって一番の「気付き」です。

本年度に発刊した「空気シリーズ」2冊にも書いているとおり、面と向かって
話すことが一番大切ですね。