2015年1月12日

絶対達成しない「面談」のやり方【アンダードッグ効果】

● 今回のテクニック:【アンダードッグ効果(11)】

アンダードッグ効果とは、弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている
人を見ると、人間誰しも応援したくなるものである。もしその方々の一所懸命
に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高ぶるも
の。そんな心理効果をアンダードッグ効果といい、「負け犬効果」ということ
もある。

選挙予測報道で不利とされた候補者に同情票が集まるなどの効果も、このアン
ダードッグ効果のひとつ。

部下とのコミュニケーションに活用するためには、上司自身がプライドを捨て
なければならなかったり、多少の演技も要求される。このことなどから、現実
的にはなかなかに難しい。多用もできないだろう。

それよりも、部下にアンダードッグ効果を使われないよう気をつけておく必要
があるかもしれない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「これから、2015年最初の面談をはじめる。よろしく」


部下 :
「はい。よろしくお願いします」


マネジャー :
「今年から面談のやり方を変えようと思う。30分も1時間も、長い時間を
かけて面談をしていると『面談をやった気』にはなるけれども、後に何も残
らないからな」


部下 :
「はい……。なんか、どっかで聞いたことあるような感じですけど、お願い
します」


マネジャー :
「私たち上司の自己満足のために面談はやるもんじゃない。君たちの成長の
ため、組織の目標を達成させるための有効な面談でなければならない」


部下 :
「はァ……」


マネジャー :
「そこで私が君に質問をする。その質問に、私が期待する答えが返ってくれ
ば、もうそれで面談は終わり」


部下 :
「……これって」


マネジャー :
「なんだ」


部下 :
「先週、木曜日のメルマガのネタですよね?」


マネジャー :
「あ?」


部下 :
「たぶん……。最初の部分で、『あ、先週のメルマガと同じネタだ。もう読
むのやめよう』と思って、このメルマガ閉じた人、1000人ぐらいいると
思いますよ」


マネジャー :
「君は何を言ってるんだ」


部下 :
「続けるんですか?」


マネジャー :
「続けるよ。これは面談なんだ。フザケないでくれ」


部下 :
「別にいいですけど……」


マネジャー :
「今年、君が特に意識することは何だ?」


部下 :
「はい。今年の売上目標は3億1500万円。意識することは3つです。常
時保有する予材資産の数、訪問件数、そして提案書の提示件数です。まず予
材資産についてですが、具体的な数値で言いますと――」


マネジャー :
「違う違う違う」


部下 :
「は?」


マネジャー :
「違うよ」


部下 :
「何が違うんですか。漠然とした質問に対して、具体的な数値目標で答える
のがいいんでしょう」


マネジャー :
「違う」


部下 :
「私の脳のワーキングメモリに常駐している、目標達成のためのプロセス指
標を言えば、面談は終わり――」


マネジャー :
「違う違う」


部下 :
「違う違うって、どういうことですか」


マネジャー :
「そうじゃないだろう」


部下 :
「何を言ってるんですか。『絶対達成する面談のやり方』を読んでください
よ。そう書いてありますって。先週木曜のメルマガで解説してます」


マネジャー :
「そのやり方はヤメだ」


部下 :
「ヤメって……!」


マネジャー :
「最近マンネリだから」


部下 :
「はぁあっ?」


マネジャー :
「いつもマネジャーと部下が会話してるだろ、このメルマガ」


部下 :
「ええ……」


マネジャー :
「筆者である横山氏が、もう飽きたって。メルマガ始めて、もうすぐ7年目
に入るから、たまには別のスタイルで書きたいってさ」


部下 :
「……そんなこと、言っちゃっていいんですか」


マネジャー :
「知らねーよ」


部下 :
「マネジャーなのに『知らねーよ』はないでしょう。だいたい、この3連休
にメルマガ登録した人、60人ぐらいいますよ。その人たちを完全に置き去
りにするのはやめたほうが……」


マネジャー :
「とにかく、俺も、たまにはワケのわかんないマネジャー役、やりたいんだ
よ」


部下 :
「はァ?」


マネジャー :
「頼むよ、マジでやらせて」


部下 :
「『ワケのわかんないマネジャー役やりたい』って……。別に、いいですけ
ど」


マネジャー :
「じゃ、さっきの続きだ。――違う違う。君は私の質問の意図がわかってな
いようだ」


部下 :
「何を答えたらよかったんですか」


マネジャー :
「もっと人生について大事なことだ。今年の目標とか、予材資産とか、そん
なこと、どうでもいい」


部下 :
「どうでもよくないでしょう。だいたい、『君たちの成長のため、組織の目
標を達成させるための有効な面談でなければならない』って、あなたが言っ
たんでしょうが」


マネジャー :
「人生について大事なことだ」


部下 :
「私の話、聞いてますか?」


マネジャー :
「人生について大事なことを質問してるんだよ」


部下 :
「質問の中身、変わってるじゃないですか。私にとって人生の大事なこと?
……おそらく、家族だと思います」


マネジャー :
「金だろ?」


部下 :
「金じゃありませんよ。家族です。……もし私が『金』って答えていたら、
どう反応するんですか」


マネジャー :
「お金っていいよね?」


部下 :
「は?」


マネジャー :
「俺、もっと金がほしいんだけど、どうしたら給料が増えるのかな」


部下 :
「何を言ってるんですか。コレ、私の面談ですよ」


マネジャー :
「社長に掛けあってくれ」


部下 :
「ちょっと、ホントに、どうしたんですか」


マネジャー :
「本当に金がほしいんだよ。頼む!」


部下 :
「組織の目標を達成すればいいじゃないですか。そうしたら課長の給料も増
えるでしょう」


マネジャー :
「ホントに?」


部下 :
「知らないですけど!」


マネジャー :
「去年マンションを買って、そのローンがキツくてさ」


部下 :
「そんなこと、部下の私に言わないでくださいよ」


マネジャー :
「結婚なんてするもんじゃないな……」


部下 :
「私、今年の3月に結婚するんですよ。そんな私に言いますか?」


マネジャー :
「え? 結婚するの?」


部下 :
「結婚しますよっ! スピーチ頼んじゃないですか」


マネジャー :
「そうかァ……。君も結婚かァ」


部下 :
「グダグダですね。この面談」


マネジャー :
「なんか最近、モチベーションが上がらないんだよね」


部下 :
「上司なのに、『モチベーションが上がらない』とか言わないでください」


マネジャー :
「一度、言ってみたかったんだよ」


部下 :
「もうやめましょう、この面談」


マネジャー :
「俺の話を聞いてくれよ」


部下 :
「イヤですよ。どうして私の面談だったのに、課長のグダグダ話を聞かなく
ちゃいけないんですか」


マネジャー :
「たまにはグダグダと言いたいじゃないか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「社長だって、部長だって、課長だって、担当者だって、誰だって、たまに
はグダグダ言いたいって」


部下 :
「そりゃ、そうかもしれませんが」


マネジャー :
「場所も、立場も、タイミングも、何も考えずに、ちょっとしたイタズラ心
ってあるだろう? 課長になって4年、私もそういうときはあるさ」


部下 :
「疲れてるんですね、最近」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「1月末からスタートする、委員会の資料、私がやりましょうか?」


マネジャー :
「え、ホントに?」


部下 :
「なんだか、凄く疲れてそうですから、私がやったほうがいいでしょう」


マネジャー :
「悪いなァ」


部下 :
「しょうがないですよ、こんなにグダグダ言ってる課長を見るの、はじめて
ですから」


マネジャー :
「たまには、いいじゃないか」


部下 :
「はい。たまにはいいと思います。いつもやることやってる課長だから、言
えることですよね。いつもグダグダ言っている人が、グダグダ言っても、力
になろうという気持ちにはなりませんから」


マネジャー :
「いつも、やることやっててよかった――」



……メルマガ読者の大量退会が発生することを恐れず、今年で7年目を迎える
メルマガで、はじめて「グダグダしたマネジャー」を書いてみました。

現在、28,969名の読者数です。(メルマガのタイトルの左側に記載)

次回のメルマガでどれぐらいの増減があるか注目していてください。

日ごろからキチンとやっているから、たまにグダグダ言っても許されると思い
ます。

したがって、「たまにはグダグダ言いたい」というなら、日ごろからやるべき
ことをやり切ることが大切ですね。

一応、「絶対達成する面談のやり方」のコラムを、もう一度ご紹介しておきま
す。


■ 絶対達成する「面談」のやり方
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150107-00042057/


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 【59点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

正直なところ、年末年始、仕事も、日常生活も、けっこう「いっぱいいっぱ
い」なので、

私(横山)自身も、グダグダ言いたい日々を過ごしています。

しかし、

意外に、グダグダ言える相手がいないのが現実。

しょうがないので、年末から暇さえあれば「24」を観ています。アメリカの
大ヒットドラマですね。

現在観ているのは「24 シーズン3」。

10年以上前のドラマです。

ジャック・バウアーは主人公のくせに、傍若無人で自己中心的。アメリカ大統
領も側近も論理思考が少し欠けている。最も理不尽で不誠実なのは、脚本その
もの。

「そこで、この人を殺すか!」

「この人に、こんなエグイ試練は道義に反する!」

と、突っ込みたくなる展開ばかりです。

映画ではなく、テレビドラマなので、ずっと観ていると登場人物に感情移入し
ていきます。

とりわけドラマの中心人物なら、なおさらです。

ですから普通、そのようなドラマの中心人物にどんなに危機が迫ろうとも、ど
うせ危機一髪で助かるだろうな、と視聴者なら誰でも想像することでしょう。

しかし「24」の場合、違うのです。危機一髪で助かりません……。

本当に、恐ろしい結末が待っているのです。

後味が悪すぎて、頭が真っ白になることが多いです。

まともに鑑賞していると、ストレス解消になるどころか、かなり疲労がたまり
ます。

それでも「24」を観ていて、救われるのは、

現実世界で私がどんな状況に陥ろうとも、

「ジャック・バウアーよりはマシだ」

「ジャック・バウアーよりは時間がある」

「ジャック・バウアーよりは葛藤していない」

「ジャック・バウアーよりは精神的余裕がある」

「ジャック・バウアーよりは痛い目に遭っていない」

「ジャック・バウアーが課せられた任務よりはリスクが少ない」

……と思えるようになりました。

「24」を観ていると、ストレス耐性がアップします。

今なら部下の誰かに突然、拳銃を突きつけられても、そんなに慌てないことで
しょう。