2015年1月16日

人を動かす最強の「理由」とは?【フリンチ!】

● 今回のテクニック:【フリンチ!(13)】

フリンチ!とは、相手からの無茶な指示や要求を飲まないために、冗談ぽく驚
いてみせること。

相手の言葉をはじめから「本気ではない/ジョークだ」と決め付け、大袈裟に
驚いたり笑ったりすることで、相手も本気だと言えなくなるという強引なコミ
ュニケーション技術。

言われた瞬間、間髪入れずに笑い飛ばすぐらいの覚悟が必要。例えばお客様か
ら「もう少し安くできない?」と言われたとき「ええええええ! 価格交渉な
んてあるはずないでしょう。いやだなァ~、部長ときたらすぐにそんな冗談を
言うんだから~。前も言ったじゃないですか、価格交渉はないって。もしいま
値引いたら僕が嘘つきになっちゃいます~。ワハハハハ!」という感じで返す。

もちろん相手との強力な信頼関係(ラポール)が前提であり、それがないのに
実践すれば、大変な目に遭うことは間違いない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「先週、私がした問い掛けの答えは出ているか?」


部下 :
「問い掛け?」


マネジャー :
「お客様が買う理由、だよ」


部下 :
「ああ、どうして当社の商品をお客様が購入するか、ですよね。その中でも、
もっとも強力な理由を考えろって言う話でした」


マネジャー :
「そうだ。お客様が『その気』になる理由だ」


部下 :
「お客様をその気にさせる、理由……。しかも、強力な理由……」


マネジャー :
「なんだ、わからんのか」


部下 :
「難しいですよ。わかれば苦労しないですって」


マネジャー :
「君は先日、スノーボードに行ったそうだな?」


部下 :
「はい。店舗開発部の連中と行きました。あと、管理部の女の子とか」


マネジャー :
「去年までは、誰に誘われても行かなかったじゃないか」


部下 :
「そうなんです。スキーもスノーボードも35歳まで一度もやったことがな
くて、今さらやってもな、と思ったんです」


マネジャー :
「じゃあ、どうして行く気になったんだ」


部下 :
「どうして、ですか……。どうして、だろう」


マネジャー :
「……」


部下 :
「うーん……。ちょうど、管理部の女の子たちと飲んでて、そんな話になっ
たんですよ。それで……」


マネジャー :
「もういい、もういい」


部下 :
「え」


マネジャー :
「答えは出ている」


部下 :
「は?」


マネジャー :
「すでに、理由はわかった」


部下 :
「理由って……。私は、何も言ってませんよ」


マネジャー :
「自分が意思決定したにもかかわらず、考えなくちゃ理由がわからないとい
うことは、理由など実はなかったんだ」


部下 :
「は――?」


マネジャー :
「最も強力な『理由』は、『理由がない』ことなんだ」


部下 :
「……課長、なぞなぞ、ですか?」


マネジャー :
「なぞなぞ、じゃない。要するに、考えずに意思決定している、ということ
だ。考えずに意思決定したため、後から、理由を問われてもジックリ考えな
いと出てこない」


部下 :
「そういえば……。確かに、どうしてスノーボードへ行く気になったのか、
今になってみると、ジックリ考えないと理由がわかりませんね」


マネジャー :
「つまり、考えずに意思決定させることが、最も人を動かすうえで大事なこ
とだ」


部下 :
「そうかもしれないですけど、すごく難しそうですね。考えずに意思決定っ
て……」


マネジャー :
「相手をその気にさせるには、その気になる空気を作ればいいんだ」


部下 :
「その気になる空気……。私がスノーボードへ行く気になったのも、確かに、
そんな空気ができあがっていましたね。理由はわからないですが、周りでド
ンドン話が進んで、もう行くものだ、という気になっていったんです」


マネジャー :
「『フリンチ』を使われなかったか?」


部下 :
「フリンチ? 相手の発言をジョークだと受け止めて大げさに驚くってヤツ
ですか……?」


マネジャー :
「そう」


部下 :
「そういえば――」


マネジャー :
「……」


部下 :
「私が、飲み会で『この年になって、今さらスノーボードを始めるなんてで
きない』って言ったら、管理部の女の子が、『えーーーーーー! そんなの
全然関係ないじゃん! 冗談でしょう!』って言ったような」


マネジャー :
「わかるわかる」


部下 :
「その場にいた他の連中も『いやいやいやいや、それはないでしょう! 冗
談キツイな。はははは』なんて笑われました」


マネジャー :
「そうそう。それがフリンチだ。発言を一蹴されてしまう」


部下 :
「そうなんです」


マネジャー :
「『35歳でも遅くないですよ』とか『私の知り合いで50歳からスノー
ボードはじめた人いますよ』とか、そういう説得はなかっただろう?」


部下 :
「はい。完全に笑い飛ばされましたよ。『そういう冗談はやめてください』
という感じです」


マネジャー :
「周りは君を説得さえしないんだ。35歳だからスノーボードを始められな
いだなんて、そんなこと常識的にあり得ない、という感じで発言している」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「それが空気を作るんだよ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君は、当社の商品をお客様に提案するとき、『うちの商品を購入しないな
んてあり得ない』という感覚でいるか?」


部下 :
「え」


マネジャー :
「お客様から断られたとき、『当社の商品を買わないだなんて、冗談だろ
う?』という気分になるか?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「断られることで傷つくから、うまくいかなかったときのための『理由』を
事前に準備しておくと、売れる空気は絶対にできないぞ」



……人を動かす最強の「理由」とは……「理由」をなくすことである。

考えずに意思決定をさせることが、最もストレスがなく人を動かす手法であり、
そのような『空気』をつくることが最善である。

「空気でお客様を動かす」を出版してから、セミナー受講者の方に教えてもら
ったことです。「やる気」をアップさせるのではなく、「その気」をアップさ
せる方法といえばいいでしょうか。

「売れる理由」も「売れない理由」も探していない人が、一番売れるのだとい
うことです。


■ 「空気」でお客様を動かす
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【編集後記】

今年も、春の「絶対達成LIVE」を3月に実施します。

3月4日(名古屋)を皮切りに、3月6日(東京)、3月12日(大阪)で。

2時間の熱いライブ講演です。

(ファン感謝祭のようなものなので、会場は異様な空気に包まれます)

詳細はまたご案内いたします。もう少しお待ちください。