2015年1月19日

相手を誘導する「質問」は仕組みのほうが簡単にできる【規範アピール】

● 今回のテクニック:【規範アピール(1)】

「規範アピール」とは、「社会的規範」や「組織的規範」を論拠にして相手を
説得する技法。

その社会、その組織に属する多くの人に期待される「規範」を盾に説得される
ため、反論しづらい空気ができあがる。

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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「組織風土診断のアンケートがあっただろう? あれを記入して送ってくれ
たか」


部下 :
「ああ、あれですか」


マネジャー :
「毎年実施しているが、君はいつも回答するのが遅い」


部下 :
「申し訳ありません。でも……なんか、あの設問項目が、しっくりこないん
ですよね」


マネジャー :
「しっくりこない?」


部下 :
「はい。たとえば『毎朝、大きな声で元気よく挨拶しているか』という設問
がありますよね。あんな設問、する必要がありますか?」


マネジャー :
「どうして」


部下 :
「今年で社歴10年ですよ。もう言われなくてもわかってます」


マネジャー :
「もういいよ、そんな話は。ちゃんとやってくれよ」


部下 :
「だって、面倒くさいじゃないですか」


マネジャー :
「今のような意見を聞くと、ますますこの仕組みの重要性がわかる」


部下 :
「え……。どういうことですか」


マネジャー :
「そもそも『毎朝、大きな声で元気よく挨拶しているか』の設問に、君はど
う自己評価しているんだ」


部下 :
「そうですね……。5段階評価で『2』だと思います」


マネジャー :
「できてないじゃないか」


部下 :
「10年も働いていれば、挨拶の声が小さくなっても仕方がないと思います
が」


マネジャー :
「本当にそう思うか?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「もう一度聞くが、本当にそう思うか?」


部下 :
「……うう」


マネジャー :
「小さい声とか、無愛想に挨拶してしまう論拠は、社歴が10年近いから
か?」


部下 :
「いや……」


マネジャー :
「単純に、気持ちが緩んできただけだろう」


部下 :
「……んんん」


マネジャー :
「君の同期は6人いるが、いつも自己評価を『2』とつけるのは君だけだ」


部下 :
「まァ、確かに他の同期はけっこう元気に明るく挨拶しますからね」


マネジャー :
「誰もが当たり前だと思うような組織の規範を、当たり前のようにやれてい
るかって経営者やマネジャーはいつも気にしてるんだけど、当たり前すぎる
ことって、なかなか言えないんだよ」


部下 :
「確かに、そうかもしれません。私みたいに社歴の長い部下には、特に言え
ないでしょうね」


マネジャー :
「あと、仕組みにすることで、相互コミュニケーションに持ち込まないとい
うメリットもある」


部下 :
「相互コミュニケーションに持ち込まない……?」


マネジャー :
「たとえば『今期の目標を達成させるため、年間100万以上の取引が可能
なポテンシャルのある顧客への接触を常に心掛けているか』という設問があ
った」


部下 :
「確かに、そういう設問がありましたね」


マネジャー :
「もし私が面と向かって言ったら、君はどういう反応を示す?」


部下 :
「え」


マネジャー :
「どうして年間取引き額が100万円以上なんですか、とか、そもそも今期
の目標が高すぎるので、そんなお客様への接触なんて意味がないと思います、
とか、いろいろと反論してくるだろう」


部下 :
「……ずばり、言い当ててますね」


マネジャー :
「しかし仕組みで、そのように問われると反論する相手がいない。回答は5
段階の自己評価でするしかない」


部下 :
「おっしゃる通りです」


マネジャー :
「納得しているかどうかは別にして、年間100万の取引ポテンシャルへ継
続アプローチしているかどうかと自問自答するはずだ」


部下 :
「うううん、そうですね……。その自問自答のプロセスが大事なんですね」


マネジャー :
「そうそう。『どうして100万なんですか?』『そこへ行けば結果が出る
んですか』『結果が出ないなら意味ないと思います』などと言う人は条件反
射で答えているだけだ。自問自答プロセスが足りない」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「会社で定められている規範は守るんだよ。そうでないと、『場の空気』が
ドンドン緩んでくる」



……本日(1月19日)、「組織診断サービスの説明会」を東京で実施いたし
ます。

どのような技術・仕組みによって、組織の「空気」を変えていくのか? 今後
も定期的に説明会を実施していきますので、チェックしてくださいね。

もし説明会まで待てない、という方で「組織風土改革」ご興味のある方はお問
合せください。

今朝も組織診断に関するコラムを書きました。


■ 組織診断をするなら、調査形式は「プリコード法」を選ぶべきである
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150119-00042357/

※当社の問合せ先
http://attax-sales.jp/about/contact

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 【12点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

昨日、今年の4月で「25年目」となる知的障がい者のボランティア活動があ
りました。

行事の後に「総会」があり、リーダーの交代が発表されました。

私がリーダーを経験したのは青年海外協力隊から戻ってきた直後の28歳のと
き。15年以上も前のことです。

それから何人ものリーダーが誕生しましたが、いずれも30代前半から40代
と、だんだんと高齢化?していって、ベテラン勢である私どもは心配していま
した。

何とか若返りを図ろうとしたのですが、けっこう難しく今にいたっていました。

しかし昨日、リーダーになった人はまだ20代前半の女性。そして副リーダー
をはじめとした役員勢も、同じ世代の男女が固めました。

10年以上ぶりの組織体制の若返りで、最長老である私はとても嬉しい気持ち
となりました。

実際のところ、新リーダ―をくどいたのは私です。

リーダーにふさわしいかどうかではなく、彼女がリーダーという肩書になった
ら、組織の「空気」が確実に変わると思ったからです。

もちろん外堀を埋めるための綿密な根回し、雰囲気作りは以前からしていまし
た。それが奏功して、新しい体制になったことを、本当に嬉しく思います。

自分自身で「空気で人を動かす」を書いたのですが、私がリーダーだった28
歳のころ、あの書籍に出会っていたら、もっと苦労せずにいただろうなと思っ
たりしています。