2015年2月2日

真剣に「考える」ために必要な武器とは?【オープンエンドクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(27)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「先週の会議でディスカッションした、あの件、どうなった?」


部下 :
「あの件、と申しますと」


マネジャー :
「あの件だよ、あの件」


部下 :
「『あの件』では、わかりかねますが」


マネジャー :
「『あの件』ではわからないか?」


部下 :
「普通、わからないと思います」


マネジャー :
「じゃあ、先週の会議でディスカッションした内容、という切り口を与えた
らわかるか?」


部下 :
「私を試してるんですね?」


マネジャー :
「そうだよ」


部下 :
「ええっと……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「先週の会議でディスカッションした内容、ですよね……。ちょっと思い出
せませんが」


マネジャー :
「思い出せないのなら、当事者意識に欠けていた、と言わざるを得ない」


部下 :
「そんな……。そこまで言わなくとも」


マネジャー :
「別の切り口を渡そう。先週の会議は緊急に招集された」


部下 :
「と、言うことは……。緊急に話し合う議題があったということですよね」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「まだ思い出せないのか」


部下 :
「先週、いろいろとあったものですから、バタバタしてて……。会議の内容
を思い出せ、と言われましても」


マネジャー :
「さらに突っ込んだ切り口を与えよう。会議を招集したのは『品質管理部の
部長』だ」


部下 :
「あ……」


マネジャー :
「思い出したか?」


部下 :
「私が出したクレームの……」


マネジャー :
「そうだよっ! 君がお客様からもらったクレームが原因で、品質管理部は
どれだけ大変な思いをしたのか知ってるのか?」


部下 :
「す、すみません」


マネジャー :
「品質管理部と営業部、そして社長室の副室長まで読んで、再発防止策をデ
ィスカッションしたじゃないか。そして、最終的にどう対策をとるのか君に
一任された」


部下 :
「ああ」


マネジャー :
「これがさっきから言っている私の『あの件』だよ。ここまで言わないと思
い出せないか?」


部下 :
「申し訳ありません……」


マネジャー :
「君、再発防止策について、真剣に考えているのか?」


部下 :
「か、考えていますよ! いま、たまたま忘れていただけです。今回のこと
で、本当に皆様にご迷惑をかけましたから」


マネジャー :
「それなら、どうするつもりだ」


部下 :
「ええっと……」


マネジャー :
「考えないと、出てこないのか?」


部下 :
「一応、あの後、考えたつもりなんですが……」


マネジャー :
「具体的にどういう対策をとるつもりなんだ?」


部下 :
「ええと……」


マネジャー :
「どうしてすぐに出てこないんだ。『ええと』と考えないと、脳の長期記憶
から引っ張り出せないということは、君のワーキングメモリに常駐していな
い証拠だ。前も言っただろう?」


部下 :
「申し訳ありません」


マネジャー :
「ワーキングメモリ、というぐらいだから『ワーキング』なんだ。つまり、
ワーキングメモリにその情報が入っていない、ということは休眠状態であり、
脳が常に処理している、とは言い難い」


部下 :
「……はい。意識します」


マネジャー :
「口だけではダメだ。常に意識している、というのは先ほども言ったとおり
『ワーキング状態』にしておくということだから」


部下 :
「常に自分に問いかけようと思います。どうすることで再発防止に繋がるか
を」


マネジャー :
「オープンエンドクエスチョンで、自問自答してくれ。いつ・誰が・何を・
どこで・どのくらいの量・どのような方法で、その対策を実施するのかを」


部下 :
「かしこまりました。その切り口で、もう一度考えてみます。そして今日じ
ゅうにまとめて提出します」



……「考える」ために必要な武器は、要素分解するための「切り口」と、抜け
漏れを防ぐための「枠組み」です。

私たちコンサルタントは、クライアント企業にどうすればいいかの「答え」を
渡すことは困難です。当事者ではないからです。

しかし、この「切り口」と「枠組み」を渡すことはできます。そしてその武器
をもって「真剣に考える」「正しく行動する」という習慣を身につけさせるこ
ともできます。

私たちのセミナーやDVDに触れても、「絶対達成」させるための答えがすぐ
手に入るわけではありません。

しかし再現性のある「絶対達成」を手に入れるための、あらゆる「切り口」と
「枠組み」をお伝えすることはできます。

ちなみに、人が真剣に考えているかどうかは、その人の表情や仕草を【5秒】
も見ていればわかります。

1月に書いたコラムで2番目にアクセスの多かったコラムを紹介しましょう。


■5秒もあれば、相手が「真剣に考えているか/考えていないか」は見抜ける
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150110-00042128

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 【21点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

週末、8歳の娘がインフルエンザにかかり、その後、11歳の息子、そして妻
も高熱と激しい頭痛などを訴え、ダウン。

日曜日は、居間に3人分の布団を敷いて、できる限りの看病をしました。

1日じゅう、無駄なノイズが脳に入り込まない、超集中状態「ゾーン」に入っ
ていたようにも思います。

私自身も絶対に感染してはならないと思い、皮膚が痛くなるほど何度も手洗い
し、一日じゅうマスクをつけ、首からかけたタオルで手を拭き……

と、やれることはすべてやって予防したつもりです。

救急外来へ息子を連れて行ったとき、息子が吸入している最中に嘔吐したとき
は、さすがに天を仰ぎそうになりました。

朝からずーっと張りつめていたからでしょう。

夜になり、3人を寝かせたあと、部下と電話で話ができたときに、ようやくホ
ッとした気持ちになりました。

仕事のことを考えられる余裕が、少しでもできた、という瞬間だったからかも
しれません。