2015年3月12日

ヒアリング力を身につけるために必要な3つのポイント【アンカリング効果】

● 今回のテクニック:【アンカリング効果(13)】

アンカリング効果とは、最初に示された情報が頭に残り、その後の判断に影響
を与えることを言う。

このアンカリング効果を利用し、相手の発言を誘導させるテクニックを使う。
逆に影響を与えさせないようにするためには、他者の意見に左右されないよう、
いっせいに紙に書かせるなどのテクニックが有効だ。

※ 確実にアンカーを落とすためには、冒頭に有無を言わせないような態度と
裏づけのある事実をもって説明するとさらに効果的である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「君の提案は、なかなかお客様に受け入れられないようだな」


部下 :
「そうなんです、どうしてなんでしょう。お客様のニーズを正しく拾い上げ
てないせいかもしれません」


マネジャー :
「ほう。お客様のニーズを正しく拾い上げていない、か」


部下 :
「そうです。ヒアリングがうまくできていないんだと思います」


マネジャー :
「じゃあ、どうすればいいと思う?」


部下 :
「はい。やっぱりもっとお客様のニーズをヒアリングすべきだと思っていま
す。それをシッカリやります」


マネジャー :
「ああ、そうか……。やっぱりそう来るか」


部下 :
「え、そう来る?」


マネジャー :
「私がこの支社に来たのは2015年の1月。今まで君たちの言動を見聞き
して思うことがある」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「テキトーな話はやめようか。私は真剣に話をしているので、テキトーに返
答されるのは好きじゃない」


部下 :
「ど、どういうことでしょうか」


マネジャー :
「たとえば、この前だって残業が多いから対策をとれと言っただろう。そう
したら君は何と答えた?」


部下 :
「ええと……」


マネジャー :
「思い出せないだろう? 『もっと業務を効率化します』と言ったんだ」


部下 :
「あ、そうです。はい」


マネジャー :
「それがテキトーな返事だ、ということ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「『もっと業務効率化します』と言って、実際に何をやったんだ?」


部下 :
「ええっと……」


マネジャー :
「何もやってないだろう。実際に残業も少なくなってない」


部下 :
「申し訳ありません」


マネジャー :
「お客様にもっとヒアリングしてきます、と言っているが、実際に何をする
んだ」


部下 :
「ですから、その……。キッチリお客様のことを調べたうえでヒアリングを
しようと思って……」


マネジャー :
「今日は午前中、A商事に出かけるよな? 何をヒアリングする?」


部下 :
「ええっと……」


マネジャー :
「もういい、もういい。ヒアリングって簡単に言うけれど、そう簡単にでき
るものじゃない」


部下 :
「た、確かに、そうですよね」


マネジャー :
「私はお客様に正しくヒアリングするためには、覚えておかなくてはならな
いポイントが3つあると思っている」


部下 :
「へえ」


マネジャー :
「まず1つ目は、そもそもお客様はヒアリングなどされたいとは思っていな
い、ということだ。これを忘れてはならない。どうしてかというと、人間関
係が構築されていることが前提だからだ。これが2つ目」


部下 :
「そうですね。関係構築ができてもいないのに、いろいろヒアリングされて
も……」


マネジャー :
「3つ目は、そもそものヒアリングスキルだ。意外と技術が必要なんだよ」


部下 :
「仰る通りです。質問する内容を準備しておけば、正しくヒアリングできる
かというと、そうではないでしょうね」


マネジャー :
「あくまでもこれは、ヒアリングに対する私の意見だ。君はどう思う?」


部下 :
「え」


マネジャー :
「効果的にヒアリングするためには、どうしたらいいと思う?」


部下 :
「え、ですからまずは関係構築が必要ですし、ヒアリング技術を身につける
ことが重要かと……」


マネジャー :
「いやいや、それは私の意見だ。私の意見を鵜呑みにする必要はない。君は
どう思うのか、と私は君にヒアリングしているんだ」


部下 :
「ええっと」


マネジャー :
「君の意見を言えばいいんだよ。何しろ私はまだこの支社に来て3ヶ月も経
っていないんだし、君の意見を尊重したい」


部下 :
「……いや、あの、私もそう思います。というか、以前からそのように思っ
ていました」


マネジャー :
「あ、そうなの?」


部下 :
「はい。ヒアリングする項目をただ準備するだけではうまくいかないと、思
ってたんです」


マネジャー :
「なるほど」


部下 :
「営業は、マニュアル通りにはいかないですから」


マネジャー :
「そうだな。その通りだ。じゃあ、どうする?」


部下 :
「もっとお客様のところへ通います。まずそこからやり直します」


マネジャー :
「具体的な数字を言ってくれ」


部下 :
「特に関係構築できていないお客様をリストアップします。おそらく70社
あると思いますので、既存顧客以外にも、それら70社を毎月まわります」


マネジャー :
「うん。素晴らしい。それはテキトーな返事ではないな」



……ヒアリングって、意外と難しいものです。

「お客様のニーズをよく聞いて」などと言う人がいますが、そんな簡単なもの
ではありません。

以下のコラムに書いた「バックトラッキング」ぐらいは習慣にしたいですね。


■「ヒアリング能力」をアップさせるために、知っておきたい3つのポイント
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150312-00043759/


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【編集後記】

昨日は「3・11」でした。

昨年の3月11日は、日比谷コンベンションセンターで「みずほ総研」主催の
講演がありました。

講演中に、受講された250名ほどの方々との黙とう。

震災から4年が経過しましたが、私たちは何かあるたびに思い出さなければな
らないと思います。

「愛の反対は無関心」です。被災地に対する「関心」が薄れていくことはよく
ないことですから。