2015年3月26日

会話効率を上げる「ヒト・ショートカット」 【オーバーステート】

● 今回のテクニック:【オーバーステート(12)】

オーバーステートとは、文字通り「大袈裟な表現」のことである。

曖昧なことを繰り返す相手に、わざと大袈裟な数字を示して反論させ、具体的
な条件を引き出す方法。 少しふざけた調子で吹っかけるのがコツ。

「100%ダメなんですか?」 → 「100%ダメというわけじゃないです」
「年収1000万ぐらいもらってるんだろ?」 → 「半分くらいですよ」
「本当は彼女の3人や4人いるんだろ?」 → 「1人しかいませんよ」


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「来週、A社に持っていく提案書を見せてくれ」


部下 :
「あ、はい……。ただ、まずは部長に承認をとってからでもよいですか」


マネジャー :
「どうして部長に承認をとる必要があるんだ」


部下 :
「いや、それは……その、以前も、提案書があったら私にまず見せなさいと
部長は言われていたので」


マネジャー :
「君は一年間、どれぐらいの提案書を書いているんだ」


部下 :
「一年間、ですか? 月に4つだとして、50ぐらいは提案書を書いていま
す」


マネジャー :
「20人近く部下のいる営業部長が、ひとりひとりの営業が書く提案書すべ
てに目を通さなくちゃいけないのか? すべて100%部長がチェックしな
いとお客様に持っていけないのか?」


部下 :
「いやいや、そんなことはありません。特に重要な案件だけだと思います」


マネジャー :
「特に重要な案件かどうかは、課長の私が判断すればいいだろう」


部下 :
「確かに、そうですね」


マネジャー :
「勝手にルールを作らないでくれ。……部長に資料を見せると、よけいにや
やこしくなるんだよ……」


部下 :
「え、何か、おっしゃいましたか?」


マネジャー :
「ひとりごとだ」


部下 :
「それでは、すぐ課長にチェックしていただきます」


マネジャー :
「うん。それでA社の誰にこの提案書を渡すんだ」


部下 :
「A社のK次長です。いつもK次長が窓口となっていますから」


マネジャー :
「おいおいおい、K次長じゃないだろう。あそこの決済者はG本部長だ」


部下 :
「それはわかっていますが、いつもK次長に提案書を持っていくことになっ
ていますので」


マネジャー :
「そういうルールになっているのか?」


部下 :
「いや、そんなことはありませんが……」


マネジャー :
「営業支援システムで商談履歴をチェックすると、過去、A社に提案した回
数は12回ある。そのうちK次長へ提案したのが4回。G本部長が5回だ。
3回がその他の人だ」


部下 :
「私の場合はいつもK次長なんです」


マネジャー :
「君がA社に提案する場合100%、K次長を通さないといけないのか?」


部下 :
「100%ってことはありませんが……」


マネジャー :
「私もK次長のことはよく知っている。とても気さくでいい方だ」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「いつA社にお伺いしても、K次長はいらっしゃる」


部下 :
「た、確かに」


マネジャー :
「反対に、G本部長はほとんど社内にいない」


部下 :
「おっしゃる通りです。G本部長にお会いすることは滅多にありませんね」


マネジャー :
「君に聞きたいんだが、提案書は何のために作るんだ? 仕事を受注するた
めなのか、誰かに渡すためなのか」


部下 :
「もちろん、仕事を受注するためです」


マネジャー :
「仕事を受注するためであれば、滅多に会えない人に会え」


部下 :
「……な、なるほど。その通りかもしれません」


マネジャー :
「K次長に提案書を渡したら、ほとんどのケースでG本部長の手に渡らない。
同じ会社のK次長でさえも、G本部長とはなかなか会えないからだ」


部下 :
「そ、そうですね」


マネジャー :
「G本部長に会うためには、当社の専務に言え。当社の専務ならG本部長と
アポイントをとれる。組織営業とは、こうやってやるんだよ」


……「話を通しておかないと、後でややこしくなる人」と、「話を通すことで、
かえってややこしくなる人」がいます。

「会話効率」をアップするためには、会話の『ゆがみ度』がヒドイ人はなるべ
くショートカットし、話のわかる人、話をキチンと前に進められる人とだけコ
ミュニケーションをとりたいですね。

そうでないと、いつまで経っても目的を果たすことができません。


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 【19点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

これまでに多くの人から「あの内容はよかった」「アレを朝から読んで気合が
入った」と言われる、私の過去メルマガがあります。

「絶対達成する決断力のつけ方」のキャンペーン用に出した号外メルマガです。
2013年の5月31日に配信しています。

先日もある社長とランチしているときに、「あのメルマガは泣けた」と言われ
ました。

2年近く前のメルマガのことを覚えていただけるなんて、とても光栄に思いま
す。せっかくですので、そのときのメルマガを転記しようと思います。


……(これ以降の文章が、その号外メルマガの内容です)


先日、娘にされたことで、泣けるような出来事があり、それを今日は書きたい
と思います。


仕事から早めに帰宅し、夕食をとったあと、


風呂から上がってきた6歳の娘に、


「肩がこっているから、100回モミモミしてくれ」


と私は頼みました。


娘がイヤそうな顔をし、体をモジモジさせているのですが、私はおかまいな
しに、


「100回モミモミしてくれよー」


と言うと、「いいよー」と言って、肩を揉んでくれました。


肩揉みのスピードはとても速く、


「いち! にっ! さん! しっ! ごっ! ろっ!……」


という感じでしたので、私は意地悪して、


「いーーーーーーーーーーーーーーーーーち、にーーーーーーーーーーーーー
ーい、さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん……」


と、大きな声でゆーーっくり肩揉みの数をかぞえはじめました。


すると娘も合わせて、


「しーーーーーーーーーーーーーーーーーーい、ごぉーーーーーーーーーーー
ーーお、ろーーーーーーーーーーーーーーーーーーく……」


と私に合わせ、大きな声でかぞえはじめます。


しかし、実際の肩揉みのリズムは、「いち! にっ! さん! しっ! ご
っ! ろっ!……」なのです。


私と娘が、「じゅうーーーーーーーーーーーさーーーーーーーーーん」と、声
を合わせて1カウントしている間に、


娘の肩揉みは、4回から5回ぐらいはされています。


したがって、私と娘で「25」ぐらいまでかぞえたとき、すでに肩揉みは
「100回」を超えていました。


しかし娘は頭が悪いのか、健気なのか、私に同情しているのか、


「さんじゅーーーーーにーーーーーーーーーーーーーーー、さんじゅーーー
ーーーーーーーーーーーーーーさーーーん……」


と、大声でかぞえつづけるのです。


「よーーーーーーん、じゅーーーーーーーーーーーーーー」


と、かぞえる数が「40」を超えたとき、もうすでに私は涙をこらえることが
できなくなってきました。


「アホか、こいつは。もう肩揉みは200回近くやってるじゃないか。なんで
やめないんだ。こんなお父さんに調子を合わせなくてもいいんだよ」


心の中でそうつぶやいても、元気な声で、娘と数をかぞえます。


「ごじゅーーーーにーーーーーーーーーーーー、ごじゅーーーーーーーさーー
ーーーーーーん……」


声のリズムとは関係なく、娘の肩揉みのリズムは遅くなることなく、相変わら
ず「いち! にっ! さん! しっ! ごっ!」というリズムなので、


だんだん私は肩が痛くなってきました。


娘もかなり手が痛いんじゃないか。いい加減、「もう終わり!」と言って、や
めたらいいのに……と、私は思っていました。


しかし、まったくやめる気配がありません。


まさか、このまま「100」をかぞえるまで肩揉みをするんだろうか?


「ろくじゅーーーーーーよーーーーーーーーーーーーーん……」


「60」を超えたあたりから、かなり肩が痛くなってきました。娘は力を弱め
ることなく、同じリズムで肩揉みをしつづけます。とはいえ、


「もう、痛いよ。もう、お父さん、痛いからもういいよ」


などとは言えず、


「ろくじゅーーーーーーーーきゅーーーーーーーーーーーう……」


と、相変わらず2人で声を張り上げました。


「70」を過ぎたころ、再びこみ上げるものがありました。


胸が熱くなり、声がうわずっても、


「ななじゅーーーーーーーーーーさぁーーーーーーーーーーん……」


と、やりつづけます。


「80」が過ぎ、


「90」が過ぎ、


いよいよ「ひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーくぅーーー」と言うとき
が来たのですが、


娘は肩揉みをやめません。


まだまだ「いち! にっ! さん! しっ! ごっ! ろっ!……」のリズム
で肩揉みし続けるのです。


「もういいって! もういい。もうお父さん、満足したから!」


と言えなくて、


「ひゃくさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん、ひゃくよーーーー
ーーーーーーーーーーーーん……」


と、同じようなリズムで2人でかぞえつづけます。


結局、「120」を過ぎてからようやく娘がやめ、


「ひゃー……。ちかれた」と言いながら、ゴロリと床に仰向けになって、倒れ
こみました。


そのときはじめて、娘がお風呂から出たばかりで、真っ裸のままだったことを
私は知りました。


「風邪をひくから、すぐ着替えなさい」


私が言うと、娘はお尻をかきながら、


「はぁーい」


と言い、背中を向けて和室へと向かいます。


まだ塗れたままの娘の髪、背中、お尻を見ながら、再び私は泣きそうになって
目頭を押さえました。


子供たちが寝たあと、妻にその話をすると、


「久しぶりにお父さんが早く帰ってきたら、嬉しいのよ」


と言われました。


私は考え込みました。


一番、大切なものは何だろう。一番、自分が幸せに感じる瞬間はどんなときだ
ろう、と。


それは、人によって違うでしょうが、


幸せな瞬間を「幸せだ」と受け止められるだけの心の余裕があること。


それが前提条件だろうな、ということを、あらためて思いました。


私たち会社員は、1日の多くを勤務時間に当てています。


その勤務時間の中で、私たちが実現しなければならないこと、達成しなければ
ならないことがあります。


その「当たり前」のことが、あたりまえにできていないと、心の余裕がなくな
り、


何気ないひとときに味わう、一粒の幸福感も覚えられないことでしょう。


『絶対達成マインドのつくり方』に書いたとおり、


長男が生まれたころ、私の心はがらんどうで、ポケットティッシュの色と同じ
ように、真っ白でした。空っぽでした。


日々刻々と変わる、第一子の表情の変化にさえ気付かない精神状態でした。


いま振り返っても、当時、何を考え、何に心を動かされ、何が自分を怯えさす
のか、


まるでわからないほど、空虚でした。


私たち会社員は、1日の多くを勤務時間に当てています。


つまり、人生の大半が勤務時間です。


人生を豊かにするためには、まずその時間で叶えなければならないことを「絶
対達成」し、


心の状態を安定させることが、何をするにしても、何を目指すにしても大前提
ではないでしょうか。


娘から肩揉みをされているとき、


私の声と、娘の声とが「120回」もシンクロし、その重なり合ったふたりの
声が私の耳に届くたびに、


なんとも言えない喜びを覚えました。


小さな小さな日常の喜びを見つけられる、そんな日々を送るために、


「絶対達成」しましょう。


優柔不断な自分にサヨナラです。