2015年3月9日

どうせなら組織の「DK」ではなく「DSK」になれ!【黒い羊効果】

● 今回のテクニック:【黒い羊効果(1)】

黒い羊効果(black sheep effect)とは、同じ集団の中に異質な人間がいると、
集団の秩序や和を乱されると思い込み、強く差別されたり、排除されたりする
ことがある。

この心理現象を「黒い羊効果」と呼ぶ。差別的感情が発生する、根源的な心理
である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「先日の部長会議で、かなり叩かれたな」


部下 :
「知ってたんですか、課長。はい……。それにしても、あそこまで言われる
必要があるんでしょうか。確かに私のはコストを度外視した提案だったかも
しれませんが、それでもやる価値はあると思うんです」


マネジャー :
「1000万円の販促キャンペーンだろう? 昨年の販促予算の3倍だ。内
容よりもコストが大きすぎて部長たちはビックリしてしまった」


部下 :
「効果との比較をしていただきたいです。去年までの販促予算と比較したっ
て意味がないでしょう」


マネジャー :
「カリカリするな」


部下 :
「この前だって、そうです。イベントで配布するアンケートの内容を刷新し
ましょうと言ったのですが、それも聞いてもらえませんでした。『君がそこ
まで口を出さなくてもいい』なんて言って」


マネジャー :
「ああ」


部下 :
「どうしていつも私の提案は却下されるんですか。他の営業なんて、全然提
案しないのに、私だけですよ。いつも問題提起しているのは」


マネジャー :
「そうだなァ」


部下 :
「積極的に提案したまえって、いつも部長は言うのに、提案したら提案した
で、全然聞く耳を持ってくれない。これじゃあやってられませんよ」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「ハッキリ言って、モチベーションが落ちます。組織のためを思って考えて
いるのに」


マネジャー :
「考えられる理由はひとつだ」


部下 :
「何ですか?」


マネジャー :
「君が単なる『DK』で終わってるからだ」


部下 :
「ディーケー?」


マネジャー :
「そうだ。『出る杭』だよ」


部下 :
「『出る杭』で『DK』ですか……。ダイニングキッチンの略かと思いまし
た」


マネジャー :
「白い羊の中に、一匹だけ黒い羊がいると差別されるものさ」


部下 :
「私は黒い羊で、しかも『DK』ってわけですか」


マネジャー :
「ところで先日、私は社長に会って、台湾でのイベント企画について提案し、
承認してもらった」


部下 :
「台湾でのイベントって」


マネジャー :
「少し前から画策してたんだ。コストは1500万ほどかかるが、社長はO
Kしてくれた」


部下 :
「部長会議で承認してもらったんですか?」


マネジャー :
「部長会議? いや、社長が部長に説明してくれるだろう。部長たちには何
も言ってない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「去年、当社に営業支援システムに、マーケティングオートメーションの機
能を付加させたのも私だ。年間500万円ほどのコスト増となるが、社長が
OKを出してくれた」


部下 :
「……ちょ、ちょっと待ってください。失礼ですが、どうして課長なのに、
そんなにヒイキされてるんですか? それも部長会議で議論されてないでし
ょう?」


マネジャー :
「社長がいいと言ってるんだから、いいんじゃないの」


部下 :
「課長、まさか……」


マネジャー :
「なんだ?」


部下 :
「課長って、社長のご子息だとか――?」


マネジャー :
「違うよ! 赤の他人だ」


部下 :
「じゃあ、どうしてそんなにヒイキされるんですか。私も直接社長に掛けあ
えば、話を聞いてもらえるんでしょうか」


マネジャー :
「それはムリだ」


部下 :
「どうして!」


マネジャー :
「私が『DSK』だからだよ」


部下 :
「ディーエスケー……?」


マネジャー :
「『出過ぎた杭』だってこと」


部下 :
「……へ」


マネジャー :
「君も知っているだろう? 私は自分が決めたことは、やり通す主義だ。誰
に何と言われようが諦めない。私が主任だったころ、部長たちが首を縦に振
るまでつけ回し、説得し続けた。相手が社長だろうが、専務だろうが、とに
かくお構いなし。会議で否決されても、まったく気にならない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「承認されてもいないのに、実行したこともある。実行して会社に損させた
こともある。でも私はうまくいくと思って実行した。だから後悔はしていな
い。周囲もわかってくれている」


部下 :
「……」


マネジャー :
「反対を押し切って自分のワガママを聞いてもらい、絶対に結果を出す、と
思ってこれまでやってきた。だから経営幹部や部長たちにとって私の存在は
『出過ぎた杭』なんだ。叩こうと思っても、叩きようがないほど出過ぎてし
まった」


部下 :
「私はまだDKだから叩かれるんですね」


マネジャー :
「部長会議で承認されなかったからと愚痴をこぼしているようでは、それだ
けの気持ちしかなかった、ということだ。そんな気持ちで社長が聞く耳を持
つはずがない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「組織でうまく立ち回るためには、経営陣が愚痴をこぼすほど『面倒なヤ
ツ』と思われるぐらいになれ」


部下 :
「わかりました……。『DSK』ですね」


マネジャー :
「黒い羊ではダメだ」


部下 :
「何色の羊になればいいんですか?」


マネジャー :
「馬になれよ。羊じゃダメだ」


部下 :
「……」



……「組織を変えたいのですが、部長がなかなか理解してくれなくて」「社長
が投資対効果がわからないと言うので、稟議が通らないのです」

等と、上層部のせいにして自分を正当化する中間管理職の方が多すぎます。

単純に覚悟が決まっていないだけです。

私どもに研修やコンサルティングのオファーをしてくる人は、2種類しかいま
せん。社長か、DSKか、どちらかです。

社長もDSKも、同じ匂いがする人種です。

周囲に反対されようが「やると言ったらやる」という人です。ですから私ども
と気が合うし、組織改革も成功するのです。

どうせやるなら「DK」にとどまらず「DSK」になりましょう。そのほうが
ストレスを感じることがなくなります。


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【編集後記】

『DSK』になるためには、いかに「面倒な人間」になるか、です。

以下のコラムにも書いています。


●「面倒くさがりや」の人を動かす究極の方法
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20131003-00028631/