2015年5月15日

「予定外」が多いリーダーのための「時間管理術」【アンダードッグ効果】

● 今回のテクニック:【アンダードッグ効果(12)】

アンダードッグ効果とは、弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている
人を見ると、人間誰しも応援したくなるものである。もしその方々の一所懸命
に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高ぶるも
の。そんな心理効果をアンダードッグ効果といい、「負け犬効果」ということ
もある。

選挙予測報道で不利とされた候補者に同情票が集まるなどの効果も、このアン
ダードッグ効果のひとつ。

部下とのコミュニケーションに活用するためには、上司自身がプライドを捨て
なければならなかったり、多少の演技も要求される。このことなどから、現実
的にはなかなかに難しい。多用もできないだろう。

それよりも、部下にアンダードッグ効果を使われないよう気をつけておく必要
があるかもしれない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「先日、『新しい働き方』とか『新時代の労働について』とかいうテーマの
講演を聴いてきた」


部下 :
「新しい働き方、ですか。とても興味があります」


マネジャー :
「どうやって、仕事と家庭、余暇の時間を両立させるか、という話が中心だ
った」


部下 :
「ワークライフバランス、ですね。やっぱりこれからの時代は」


マネジャー :
「仕事に追われてばかりの人生なんて、どうしようもない。道を見失っては
ダメだ」


部下 :
「おっしゃる通りです。仕事ばかりの人生なんて、つまらないですから」


マネジャー :
「その講演はすごく反響があった。講師の先生はすごく有名な方のようで、
講演の後、拍手が鳴りやまなかった」


部下 :
「そうですか……。私も聴講したかったです。私も、今の働き方に疑問を持
っているので」


マネジャー :
「私もすごく思ったよ。その講演を聴いて、道に迷ってはダメだ、とね。強
く思った」


部下 :
「部長はすごく時間外労働が多いじゃないですか。もっと気をつけられたほ
うがいいですよ」


マネジャー :
「そうだな、本当にそうだ。道に迷ってはいけない。迷うからこそ、効率が
悪くなる」


部下 :
「何かすごい気付きがあったんですね」


マネジャー :
「そうだ。その講演を聴いたあと、さっそく書店へ行って、こんな本を買っ
てきた」


部下 :
「どんな本ですか?」


マネジャー :
「水口和彦氏の、『部下を持つ人の時間術』だ。"時間管理術"の専門家が
書いた本」


部下 :
「へええ。水口さんですか。ということは、この方が講演をされていたんで
すね」


マネジャー :
「いや、全然違う」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「講演で話されていた先生ではない」


部下 :
「その先生は本を出されていないんですか?」


マネジャー :
「メチャクチャ出してる。新しい働き方とか、ワークライフバランスについ
て書かれたベストセラーを連発してる」


部下 :
「じゃあ、どうしてその先生の本を買わなかったんですか?」


マネジャー :
「その先生は、組織で働いていないからだ」


部下 :
「――!」


マネジャー :
「自由な働き方、新しい働き方、これからの時代の働き方、他人に振り回さ
れない働き方……。その先生はいろんな言葉を使っていたが、自分ひとりで
働いているのだから自由で当たり前だ」


部下 :
「……だって、すごく参考になった、と仰ってたじゃないですか」


マネジャー :
「そんなことは言っていない。気付きがあった、と言ったんだ。組織に属し
ていない人が自由に働けて当たり前。本を出したり、講演をしたり、投資を
して儲けて、自由な時間があります。家族を大切にしています、と言われて
も私にはピンとこない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「組織に属さない働き方を推奨するのはいいだろう。実力をつけて自由な社
風の会社を選んで就職するのも、これからの時代には合っているに違いない。
そういう生き方もあるし、素敵だと思う。でも、会社の部長職をしている私
に、その先生の講演は100%参考にならなかった。それだけの話だ」


部下 :
「うーん、なんかわかる気がしてきました……。確かに、自由に生きている
人が新しい時代の働き方を提唱しても、言葉に力がないっていうか」


マネジャー :
「単に、今の私には関係がない話だな、と思っただけだ。否定はしたくな
い」


部下 :
「それで、この水口先生の本は……?」


マネジャー :
「この方は、組織に属している人向けの『時間管理術』の本ばかり書いてい
るから、いいんだ。私には、ものすごく参考になる」


部下 :
「へえ……」


マネジャー :
「部下を持つリーダーが、どうタスク処理するのか、役割分担するのか、具
体的なテクニックが書いてある。この人は日本の会社のことを、とてもよく
理解していると思う」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「ところで話は変わるが、私の兄が最近交通事故に遭って入院してね」


部下 :
「ええっ」


マネジャー :
「大したことはないんだが、兄に家族はないから、私の妻が世話をすること
になった」


部下 :
「え……。じゃあ、息子さんは」


マネジャー :
「そうなんだ。腎臓の悪い息子のケアもあるので、妻にはけっこう負担をか
けてしまっている」


部下 :
「奥様はお店がありますよね」


マネジャー :
「そうだ。3人スタッフがいるから、何とかなっているが、そうはいっても、
店に出ないわけにはいかない。90年続く、老舗の和菓子屋だからな」


部下 :
「だから『時間管理術』を真剣に学ぼうと思ったんですね」


マネジャー :
「うん。これを機会に何とかしたいと思ってるんだ。残業も休日出勤も、け
っこうあるからな……」


部下 :
「私に言ってください。いや、私だけでなく、他にもスタッフはいるわけで
すから」


マネジャー :
「そうか……。ありがとう。頼りになる部下がいるにもかかわらず、私は仕
事を振り分けることが苦手だった。この本にも書いてあったが、仕事を抱え
過ぎてしまう人は、まず流入口をチェックしなければならない、とある」


部下 :
「役割分担するタイミング、ってことですか」


マネジャー :
「そう。タイミングが重要らしい。仕事の『量』と『タイミング』が大事だ
そうだ。それを見極めること。それがリーダーの仕事なのに、どうも私はそ
の視点が欠けていた。だから抱え込みすぎていたんだ。」


部下 :
「何でも言ってください。みんなで手分けしてやっていきましょう」


マネジャー :
「そうだな。でも、もちろん、うちの部署に降りかかってくる仕事を仕訳け
するのも私の役割だ。社長が言うことをすべて引き受けるわけにはいかない
し」



……水口和彦氏とはまったく面識がなく、もちろん、ご本人から依頼されたわ
けでもありません。

しかし、私が名著だと思っている「仕事力3倍アップする時間活用法」と同
じように、参考になった書籍ですので、部下を持つ管理職の方には強くおスス
メする書籍です。

「心掛け」ではなく、実践的で、具体的なテクニックが書いてあることがポイ
ントです。名著「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」と組み合わせ
て読まれると、さらに良いでしょう。


【参考書籍】部下を持つ人の時間術
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788910438/mysterycon0c-22/ref=nosim

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 【52点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ここ最近、ロディア(ブロックメモ)の活用方法をFBページでアップし続け
ていますが、GTDや水口氏の書籍の影響がとても大きいです。

私の場合、「時間管理術」のみならず、情報の「分解」と「再構築」を繰り返
して新しいアイデアを生み出すことにも使っています。

https://www.facebook.com/rhodia11tek