2015年6月1日

残念な上司の「ぼかし表現」ランキング10【 両面提示の法則】

● 今回のテクニック:【 両面提示の法則(2)】

良い側面、特徴だけを取り上げてアピールする方法を「一面提示」と呼び、長
所のみならず、短所もキチンと混ぜながらアピールする方法を「両面提示」と
呼ぶ。

自己アピールするとき、自分の強い部分だけでなく、弱い部分も見せることで、
相手との信頼関係(ラポール)を構築しやすくなる、この法則を「両面提示の
法則」と言う。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「君はすごくいいね。本当に多くの営業に見習ってもらいたい」


部下 :
「ありがとうございます」


マネジャー :
「特に挨拶がいい。ポジティブだし、何事にも挑戦する気概がある」


部下 :
「ありがとうございます。元気だけが取り柄です!」


マネジャー :
「うん。『元気だけが取り柄です』……も、いいんだけど、それだけじゃマ
ズイ。4月から課長になったわけだから、マネジメントをしてもらわない
と」


部下 :
「はい、部長! マネジメントを心掛けます」


マネジャー :
「元気いいなァ」


部下 :
「あはははははは! 元気だけが取り柄ですから!」


マネジャー :
「うん、まァ、いいよ。ところで、君の課のHさん、最近、仕事がとれない
ようで悩んでいるそうじゃないか」


部下 :
「はい。意識させます」


マネジャー :
「え、何を……?」


部下 :
「仕事をとれるように、意識させます」


マネジャー :
「おいおい、そんな言い方があるか。もっと具体的に話をしてくれよ」


部下 :
「はい。私はいつも、お客様のニーズに沿った最適な提案をしろと指導して
います。それを積極的にやるよう、きっちり心掛けてもらえるようにしま
す」


マネジャー :
「最適な提案っていうのはなんだ? 積極的にやるというのは何を何回実践
することなんだ? さらにきっちり心掛けるとは、どうすれば客観的に評価
できるんだ」


部下 :
「はい! 最適な提案というのは、お客様のニーズを正確にとらえ、しっか
りとした提案をするということです」


マネジャー :
「……おいおい、あのさ」


部下 :
「はい! 積極的にやるというのは、当事者意識を持ち、主体性をもってこ
とに当たる、という意味であります」


マネジャー :
「……だからさ、そういう」


部下 :
「はい! きっちり心掛けるというのは、しっかりと危機感をもって、自主
的にやり、必ずやり遂げるという意識を徹底して持つということでありま
す」


マネジャー :
「やめろやめろ、『ぼかし表現』のオンパレードじゃないか!」


部下 :
「はい! 『ぼかし表現』を徹底します!」


マネジャー :
「何を言ってるんだっ。ぼかし表現を徹底します、って……」


部下 :
「とにかく今期は新規のお客様を開拓できるよう、キッチリしっかりやって
いきます。業務の効率化、行動の最適化が、私にとって最も徹底すべきこと
です」


マネジャー :
「頭がクラクラしてくるよ。君が提出してきたマネジメント資料にもこんな
ことが書いてある」


部下 :
「はい!」


マネジャー :
「『新規開拓を徹底させるつもりが、業務の効率化を最優先したため停滞気
味。しかし業務も効率化できていないため、引き続き来月も危機感をもって
意識する』と」


部下 :
「はい!」


マネジャー :
「口頭で『ぼかし表現』を使うのならともかく、こういうマネジメント資料
にまで文章で書くのは絶対にやめてもらいたい」


部下 :
「徹底します!」


マネジャー :
「マネジメントサイクルを回せなくなる。わかるか?」


部下 :
「はい! 意識します」


マネジャー :
「結局、どう行動を変えるんだ。君は?」


部下 :
「はい! 当たり前のことを当たり前にやる。これが重要と認識しました。
参考にさせていただきます」


マネジャー :
「本当にわかってるのかね……?」


部下 :
「はい! 積極的に徹底し、意識します」


マネジャー :
「君には不思議な魅力を感じるな……。長所も短所もわかりやすいからだろ
うか」



……残念な上司が使う「ぼかし表現」ランキングを、先週コラムで書いたとこ
ろ、久しぶりに大ヒットコラムとなりました。

1位は「徹底する」、2位は「積極的に」、そして3位は「意識する」……果
たして10位は?


●「残念な人」の口癖「ぼかし表現」ランキング10
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150530-00046169/


また、今月の「絶対達成セミナー」はマネジメントの仕組みがテーマ。会議資
料、管理資料に「ぼかし表現」を書かないためにはどうすればいいか、です。

(※東京はすでに定員をはるかに超えているため、もうすぐ締め切ります)


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 【29点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

昨年から"メルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」"を点数で表現して
います。

この点数がかなり不可解であると、よく言われるのですが、点数の基準は何度
もメルマガを読んでいただき、相対評価して見つけてくださればと思います。

ちなみに、

過去のメルマガで、最高点を出してもいいと思えるのは「号外メルマガ」にな
ってしまうのですが、こちらです。2012年3月8日の、東日本大震災からほぼ1
年後に書いたメルマガ。

http://attax-sales.blogspot.jp/2012/03/blog-post_08.html

メルマガ読者が半分になっても構わない。しかし解約する前に、このメルマガ
だけは最後まで読んでくれと懇願する文章からはじまっています。

このメルマガなら90点台をつけてもいい、と私は思っています。

さて、このメルマガで紹介した「西條剛央」さんの新刊が3年ぶりに登場しま
した。


■「チームの力: 構造構成主義による"新"組織論」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480068309/mysterycon0c-22/ref=nosim


週末の日経新聞にも大きな広告として掲載されていましたし、アマゾンの総合
ランキングでも10位以内に入っています。

(ビジネス書のランキングではなく、アイドル写真集やコミック等を含む、す
べての書籍のランキングで10位以内です)

筑摩書房さんの特設ページでは、私の書評も掲載されました。ぜひご確認くだ
さい。

http://www.chikumashobo.co.jp/special/team_power/

西條剛央さんは、私が最もリスクペクトする人物の一人です。

日経BP社のはからいで対談させていただいたとき、全身から漂うオーラに
「死」の文字が含まれているのかと錯覚するぐらい、凄まじい「気」を持った
方でした。

あれだけのプロジェクトを、あの若さで大成させるわけです。

さながら、リアル大河映画の主人公と相対した気分でした。どんなに有名な経
営者、芸能人と会ったとしても、あんな経験は二度と味わうことはないと思い
ます。