2015年6月29日

自分のために走り出し、誰かのためにゴールする【ドア・イン・ザ・フェイス】

● 今回のテクニック:【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(17)】

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、はじめに本当に頼みたい事柄よ
りもかなり負担の大きな依頼をし、一度断られてから本当に頼みたいことを伝
えるテクニック。

最初に提示した情報が頭に残り、その後の判断に影響を与えるアンカリング効
果の一部と考えてもよい。

依頼者が一端譲歩すると、ついつい相手も譲歩してしまうことを「譲歩の返報
性」と言うが、これを利用ししている。

※ 「フット・イン・ザ・ドアテクニック」の反意語。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、おはようございます。え~! 帰ってきたんですか」


マネジャー :
「おお、おはよう」


部下 :
「いつこっちへ帰ったんですか」


マネジャー :
「昨夜だ」


部下 :
「昨夜帰宅して、今日の朝から出勤ですか。ハード過ぎる……」


マネジャー :
「そんなに休んでられないよ」


部下 :
「ところで部長のご活躍は、ひそかにフェイスブックで確認しておりました。
やりましたねっ!」


マネジャー :
「ああ。何とか、な……」


部下 :
「2度目ですか」


マネジャー :
「3度目だ。3度目でようやく完走した」


部下 :
「サロマ湖のウルトラマラソンって100キロですよね? 何人ぐらい出場
者がいるんですか?」


マネジャー :
「今年はどうだったんだろう……。去年は確か、3500人とか3600人
ぐらいいたはず。今年はもっと多いんじゃないかな」


部下 :
「さ、3500人……!」


マネジャー :
「すげーよなァ。100キロをただ走ればいいってことじゃなくて、10キ
ロごとに制限時間があって、それを突破できる走力も持ってないと完走さえ
できない。つまり『それなりの走力があるランナー』が3000人とか40
00人集まってるんだから」


部下 :
「私からすると、週末に、最北端のオホーツク海まで行って帰ってくるだけ
でも、めちゃくちゃ疲れそうな気がしますが」


マネジャー :
「そうだよな。北海道のサロマ湖まで、それだけの大人数が日本全国や世界
から集まるんだから、それだけでも凄いことだ」


部下 :
「前から興味があったんですが、こういった過酷なレースに出る意味って何
ですか? 申し訳ありません。部長に野暮な質問をして」


マネジャー :
「ウルトラマラソンに出場する意味かァ」


部下 :
「やはり『限界に挑戦する』ってヤツですか」


マネジャー :
「確かにそうだな。『限界に挑戦する』ってことだったのかもしれない。で
も、走っているうちに目的が変わってきたんだよ」


部下 :
「へェ……」


マネジャー :
「『自分のために走り出し、誰かのためにゴールする』って」


部下 :
「自分のために走り出し……。誰かのためにゴールする……」


マネジャー :
「そう。誰が言った言葉か忘れたけど、どこかの大会に出場したとき、この
フレーズを聞いた。すごく心に残った」


部下 :
「か、カッコいいです」


マネジャー :
「走っていると、やっぱり苦しいんだよ。あまりに苦しいと、いろんなこと
を考えちゃって……。苦しいからやっぱりやめよう、こんなに苦しい思いを
してまでゴールを目指さなくてもいいじゃないかって思えてくる」


部下 :
「普通、そう思いますよね」


マネジャー :
「でも、鎮痛作用を施す脳内物質エンドルフィンが分泌されるからだろうか、
だんだんその苦しみが少しずつ快楽に変わっていって、自分がゴールするこ
とによって誰かを助けられるんじゃないか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「誰かを勇気づけられるんじゃないか、誰かを心から祝福できるんじゃない
か、誰かを心から愛し、その人のためにまた生きていけるんじゃないか、っ
て、思うようになってくる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「エンドルフィンは脳内麻薬のようなものだから錯覚かもしれないけど、で
もそんな気持ちにさせてくれるんだよ。不思議と」


部下 :
「す、すごく憧れます。部長、カッコいいですね」


マネジャー :
「そうか。ありがとう」


部下 :
「なんか、私もウルトラマラソンに挑戦したくなってきました」


マネジャー :
「なんだなんだ。去年なんか『死んでもやりたくない』って言っていたくせ
に」


部下 :
「自分のために走り出し、誰かのためにゴールする、って言葉を聞いたら、
なんだか感動しちゃって……。自分も、そのエンドルフィンを出してみたい
と思いました」


マネジャー :
「それならすぐにできるよ」


部下 :
「えっ」


マネジャー :
「今日のお客様への訪問件数は何件の予定だ?」


部下 :
「ええーっと……。4件ぐらいを予定していますが……」


マネジャー :
「それを120件にしたら? 30倍だ」


部下 :
「はァ?」


マネジャー :
「どうした? 1日120件のお客様に訪問するんだよ。制限時間は夕方の
5時まで。しっかりと走破してくれ」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。120件って、何の意味があるんです
か」


マネジャー :
「限界に挑戦するんだよ」


部下 :
「限界って……」


マネジャー :
「限界に挑戦していれば、『自分のために走り出し、誰かのためにゴールす
る』の意味がわかってくるはずだ」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。120件は、ちょっと……。物理的に無
理です」


マネジャー :
「本当に無理なのか?」


部下 :
「えええ」


マネジャー :
「13時間以内で100キロ走れとは言ってない。6時間程度で120件訪
問しろと言ってるんだ」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。これまでの話の流れからしたら、ちょっ
と断りづらい雰囲気になってますけど、さすがに120件は無理ですって」


マネジャー :
「じゃあ、何件だ? 80件か?」


部下 :
「は、80件? ……いや、あの、40件にしてもらえませんか」


マネジャー :
「40ゥ?」


部下 :
「す、すみません。40件でも大変ですよ。予定の10倍ですから」


マネジャー :
「しょうがないな。君は何歳だったっけ?」


部下 :
「え? 36歳ですが」


マネジャー :
「じゃあ、36件でいいよ」


部下 :
「えっ! 本当ですか? あ、ありがとうございます。じゃあ、今日じゅう
に36件まわってきます。今すぐに行ってきます!」


マネジャー :
「制限時間は夕方の5時だ。忘れるなよ」


部下 :
「誰かのためにゴールします!」



……驚いたことに、「絶対達成チャンネル」にアップされている『超集中状態
"ゾーン"に入る技術』という動画のアクセス数が急激にアップしています。

圧倒的なアクセス数を誇っていた『成功する人ほど「モチベーション」を口に
しない』に迫る勢いで伸びています。

この動画に「超集中状態」を作ることで、脳内物質エンドルフィンが分泌され、
多幸感を覚える、という話を紹介しています。ぜひ、ご参考にしてください。


■ 超集中状態"ゾーン"に入る技術
https://youtu.be/GN_tK2slOYQ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 【12点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【編集後記】

以前からメルマガ編集後記に書いてきたとおり、6月の21日から28日まで、ス
ペインのサラマンカへ「超短期留学」をしていました。

詳細についてはFacebookで実況中継してきましたので、編集後記では割愛しま
す。

と、まるで過去形のような文章で書いていますが、実は今、留学先のサラマン
カを出てマドリッドに到着し、マドリッドのホテルでこの編集後記を書いてい
ます。

今回の留学は不安でいっぱいでしたが、結果的には非常に濃密な時間を過ごす
ことができ、とても満足しています。

1年に1度は長期休暇を取得するよう義務付けている会社にまず感謝したいです
し、もちろん留学を後押ししてくれた家族にも心からお礼を言いたいです。

そしてこれからは、まさに「馬車馬」のように働いて、留守を守ってくれた部
下たちに恩返ししようと思います。

完全に気持ちを切り替えてやっていこうと考えています。

(とはいえ、一番は、何といっても家族に対してしっかり時間をとらないとい
けませんね。家族とのラポールが第一ですから)