2015年7月13日

世の中には「2種類の人間」がいる【イエス・バット法】

● 今回のテクニック:【イエス・バット法(19)】

イエス・バット法とは、『応酬話法』の代表的なテクニックである。

部下とコミュニケーションをしている最中、相手の答え/考えが間違っていた
り、的を外していたりすると、ついつい反射的に抵抗してしまいたくなる。

それをグッと我慢し、まずは相手の反応を受け止め(Yes)、柔和に反論し
(But)、戦略的に交渉を進める方法である。

マネージャが部下の行動変革を促したい気持ちが強い場合、また部下のことを
考えて話しているのにもかかわらず頭ごなしに否定されたとき、いかに感情を
セーブできるかがポイントである。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「どうした、落ち込んでるのか」


部下 :
「はい。何だか、疲れちゃいました、部長」


マネジャー :
「隣に座ってもいいか」


部下 :
「あ、どうぞ」


マネジャー :
「やはり、立ったままでいい」


部下 :
「立ったままでいいんですか?」


マネジャー :
「そのほうが、世の中を広く見渡すことができる」


部下 :
「世の中って……。ここ、単なる喫煙ルームですよ」


マネジャー :
「煙草に火をつけて、お前は何を考えるのか」


部下 :
「……はァ?」


マネジャー :
「この世の中には2種類の人間がいる。煙草に火をつけたら過去のことを忘
れる奴と、煙草に火をつけたら過去のことで熱くなる奴と」


部下 :
「……」


マネジャー :
「だろ」


部下 :
「煙草を吸わない人もいると思いますが……」


マネジャー :
「ウジウジするな。こういう時はブラックストーン。頭の中を別のノイズで
消せ」


部下 :
「部長、外国製の煙草なんか吸ってるんですか」


マネジャー :
「世の中には2種類の人間がいる。ブラックストーンを吸う奴か、それとも
ブラックストーン以外を吸う奴か」


部下 :
「ですから、煙草そのものを吸わない人もいますって。2種類じゃないです
よ」


マネジャー :
「大きなしこりを残したらしいじゃないか。今度のプロジェクトは」


部下 :
「ええ、専務とやり合いました。専務の弟さんが経営する会社と契約するは
ずだったようですが、私がストップさせたんです。いくらなんでもフェアじ
ゃないと思ったので」


マネジャー :
「6000万か」


部下 :
「いえ、7000万です、あの会社が要求してきたのは。とんでもないコス
トですよ。そのコストをだれが補てんするんですか。営業がみんな汗かいて
仕事とってきてるんですから」


マネジャー :
「……」


部下 :
「社長から呼び出されました。おそらく異動を命じられると思います」


マネジャー :
「……」


部下 :
「専務は、私が今年の4月に二世帯住宅を建てたのを知っています。父を介
護しなくちゃいけないんで、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入したん
ですが、飛ばされますね」


マネジャー :
「……」


部下 :
「妻のお腹には、はじめての子がいます。親のことも考えて、この会社に居
続けていいのか、と思ったり。正直、悩んでます」


マネジャー :
「そうか」


部下 :
「部長、どうしたらいいんでしょう」


マネジャー :
「辞めろ」


部下 :
「え? そういう辛気臭い話はやめろ、とおっしゃったんですか?」


マネジャー :
「会社を辞めろ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「世の中には2種類の人間がいる。清水の舞台から飛び降りる気持ちで、と
言いながら、本当にそれぐらいの覚悟で決断する奴と、清水の舞台から飛び
降りる気持ちで、と言いながら、たいしたことのないチャレンジをする奴
と」


部下 :
「ええ……?」


マネジャー :
「二世帯住宅を購入したことが、お前にとってそんなにチャレンジングなこ
とだったのか?」


部下 :
「いや、その……」


マネジャー :
「会社を辞めて、自分で起業でもしろ」


部下 :
「そんな、部長……」


マネジャー :
「会社を辞めることはできないのか?」


部下 :
「そこまではできません。……もちろん、いろいろ思うことは、あります
が」


マネジャー :
「そうだよな。いろいろ思うことはあるけど、軽々しく『辞める』なんて、
できないよな」


部下 :
「そりゃあ、そうです」


マネジャー :
「でもな、それだったら、なんだってできるじゃないか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「この煙草を見ろ」


部下 :
「アメリカ製だからですか。なんか、うまく燃えないですね」


マネジャー :
「この煙草はお前だ」


部下 :
「えっ」


マネジャー :
「くすぶってんじゃねーよ」


部下 :
「……!」


マネジャー :
「もう1回言う。この煙草はお前だ」


部下 :
「私……」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「お前はまだ、本当に追い込まれたわけじゃない。だから、いっそのこと辞
めろと言った」


部下 :
「え」


マネジャー :
「もしもお前の奥さんが、川で溺れ、目の前で流されそうになっていたら、
お前はどうする? 自分が考えられる、すべての可能性に賭けてみようと思
わんか」


部下 :
「……そりゃ」


マネジャー :
「この会社には2種類の人間がいる。専務に歯向かって本社で生き残ってる
奴と、そうでない奴と」


部下 :
「部長は」


マネジャー :
「俺は前者だ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「俺に任せとけよ」



……不満があって会社を辞めるぐらいの気持ちがあるなら、会社の中で「なん
だってできる」と思っていいですよね。

本当に追い込まれたとき、過去からの延長線上ではなく、まったく別の次元で
物事を考えられるようになります。

もし、過去のやり方や、自分のポテンシャルを考えたうえで意思決定をしてい
るとしたら、まだ本当の意味で追い込まれたわけではない、と受け止めるべき
でしょう。


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 【49点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

「キュレーション」という言葉があります。インターネット上の情報を効率よ
くまとめることを指します。

いろいろなテーマでキュレーションしてくれるサイトがありますが、そのよう
な手間をかけず、自分の興味のありそうなものを、そのときそのときで自動的
にキュレーションしてくれると、さらに都合がいいですよね。

私はキュレーションのためにフェイスブックを使っています。

私自身が興味ある、関心ある、という人をフォローしたり、「友達」に入れて
おくことで、自動的にニュースフィードに流れてきます。

もちろん、

圧倒的に「友達」自身のプライベートな記事が多いのですが、その記事に混ざ
って、ためになるニュースや書籍、セミナー、イベント情報が案内され、けっ
こう私も影響を受けます。

日ごろ、何かにチャレンジしている人の投稿を見かけると、大きな刺激をいた
だくこともあります。

「参考になりそうな、横山さんのコラムやセミナーがあったら教えてくださ
い」

と言われることがありますが、フェイスブックでフォローしてくだされば、自
動的にニュースフィードに流れてくると思います。

たまにそれを見てくだされば、そういった情報もキャッチできることでしょう。
ご自身がフェイスブックに投稿しなくても、このような利用方法があります。

私の場合、関係の薄そうな「友達」を定期的に削除しているのですが、それで
も増え続け、そろそろ4000人に達しそうな感じとなりました。(フォロ
ワーは上限なし)

もし友達申請をしてくださる方がいれば、一言メッセージをお願いいたします。
メッセージさえあれば、ほとんどのケースで承認いたします。

横山信弘のフェイスブック
https://www.facebook.com/nyattx

どうぞよろしくお願いいたします。