2015年8月27日

「質問する相手」を選ぶコツ【オーバーステート】

● 今回のテクニック:【オーバーステート(13)】

オーバーステートとは、文字通り「大袈裟な表現」のことである。

曖昧なことを繰り返す相手に、わざと大袈裟な数字を示して反論させ、具体的
な条件を引き出す方法。 少しふざけた調子で吹っかけるのがコツ。

「100%ダメなんですか?」 → 「100%ダメというわけじゃないです」
「年収1000万ぐらいもらってるんだろ?」 → 「半分くらいですよ」
「本当は彼女の3人や4人いるんだろ?」 → 「1人しかいませんよ」

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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「ストレスが溜まってます……」


マネジャー :
「あ、そうなの?」


部下 :
「部長って、本当にストレス溜めない人ですよね。すごくサバサバしてるじ
ゃないですか」


マネジャー :
「そうかなァ」


部下 :
「昨日、お客様にけっこう言われてたじゃないですか。横で聞いていてヒヤ
ヒヤしました」


マネジャー :
「ああ、あの工場長だろ? ひでェこと言うなァ、あの人。この『ボケ野
郎!』なんて言ってたけど、まァ、しょうがないか。ボケたところがあるの
は事実なんだし」


部下 :
「あの工場長、どう考えてもまだ30代前半ですよ。50代の部長に向かっ
てああいう口のきき方はないです」


マネジャー :
「お客様だからしょうがないじゃないか」


部下 :
「別にこっちがミスしたわけではなく、アポなし訪問しただけで、あんなに
怒らなくても……」


マネジャー :
「お前が怒ってどうするんだよ。それでストレス溜めてるのか?」


部下 :
「いや、そうじゃないです。仕事のこともありますし、家庭のこととかもあ
りますし、最近ちょっと体調もよくなくて……」


マネジャー :
「そうか。それは良くないなァ」


部下 :
「そこで部長、ぜひ教えてもらいたいのですが、ストレス発散のコツって何
ですか?」


マネジャー :
「ストレス発散?」


部下 :
「そうです。部長がそれだけサバサバしていられるのは、ストレスを溜めな
い、何かコツみたいなものがあるんじゃないかと」


マネジャー :
「あああ、なるほど」


部下 :
「今朝だって、あの工場長に電話してたじゃないですか」


マネジャー :
「したよ」


部下 :
「アポとってたんですよね?」


マネジャー :
「そうだよ。だってアポなし訪問だと、あんなに怒るんだもの」


部下 :
「よく電話できますね。どういう神経してるんですか。あれだけの権幕で怒
られておきながら」


マネジャー :
「残念ながらアポとれなかったけどな」


部下 :
「そりゃあ、そうでしょう! そのずぶとい神経、見習いたいです。どうや
ってストレス発散させてるんですか?」


マネジャー :
「うーーん」


部下 :
「ぜひ、教えてください。何かコツがあるはずです」


マネジャー :
「うーん、それもいいけど、まず最近の私の悩みを聞いてもらってもいい
か?」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「実はさ、なかなか煙草がやめられないんだ」


部下 :
「ああ……煙草? 部長ってけっこう長いあいだ吸ってるんですか?」


マネジャー :
「もう30年になるかなァ」


部下 :
「そうですか。でも、健康には気を付けてもらいたいし、やめられるものな
ら、やめたほうがいいですよ」


マネジャー :
「やっぱり君もそう思うだろう? だから聞きたいんだ。禁煙のコツってな
んだ?」


部下 :
「……?」


マネジャー :
「君は煙草を吸わないだろう? どうして吸わなくておられるんだ? その
コツを教えてくれ」


部下 :
「な、何を言ってるんですか。私はもともと煙草を吸ってません。吸ってな
いから禁煙する必要がないんです」


マネジャー :
「ああ、そうだったな」


部下 :
「何を言ってるんですか、部長! それボケのつもりですか?」


マネジャー :
「ストレスも同じじゃないか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「私はストレスを吸わない。だからストレスを発散する必要がない。タバコ
と一緒だ」


部下 :
「そ、そうなんですか」


マネジャー :
「ストレスを溜めた経験がない私みたいなのに質問しちゃダメだよ」


部下 :
「なるほど、そうか。質問する相手を間違えたかもしれません」


マネジャー :
「君と同じようにストレスを溜めて、その状態を克服した経験がある人に質
問したまえ」


部下 :
「確かに。質問する相手って大事ですね」


マネジャー :
「ところで、営業成績が上がらないから、社内のできる人から話を聞くって
言ってただろ?」


部下 :
「ああ、はい。言いました」


マネジャー :
「君のことだから、もう2課のSさんには質問しただろう。3課のYさんに
も話を聞いたんじゃないか。常務も昔はすごかったし、社長も営業力はスゴ
イから、話は聞いてるよな。何より会長が一番だ。昔話を聞いただろう。ど
うだった?」


部下 :
「いやいやいや……」


マネジャー :
「なんだ。もっと大勢の人に聞いたのか?」


部下 :
「いや、いや……。まだ2人ぐらいしか、聞いてません。社長や会長だなん
て、とてもとても」


マネジャー :
「ストレス発散と同じだ。君の場合は新規開拓で結果が出ていない。新規開
拓をやったことがない人に質問しても意味がないぞ」


部下 :
「……そうか」


マネジャー :
「その点、会長は凄い。もう80歳だが、事業をはじめた時の話を聞け。新
規開拓の基本を学ぶことができる」


部下 :
「なるほど……。そうですね。同じ境遇の人に質問しないとダメですね。わ
かりました」



……質問する相手を間違えると、ストレスが増すばかりですね。

同じような境遇を経験し、その状態から脱した方法を知っている人から話を聞
くのが一番です。

営業成績が上がらない人が、天才的な営業に「コツ」を尋ねるのが典型的なダ
メな例でしょう。


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 【51点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

以前からアナウンスしている「予材管理クラウド」の事業がいよいよ立ち上が
ります。

それに先立ち、IT企業などとのコラボレーションがはじまります。

昨日、日本マイクロソフト、日経ビジネスとのコラボ記事が出ました。
MS社のキャラ「大波昇」さんと私との掛け合いの記事ですので、読みやすい
と思います。

■「営業力の弱い企業はどこが問題? 売上目標を絶対達成するマネジメント
手法とは?」
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/ae0h/183803/

ぜひ、ご一読ください。