2015年9月10日

すべて責任放棄したくなるときにどうするか?【アズ・イフ・フレーム】

● 今回のテクニック:【アズ・イフ・フレーム(21)】

アズ・イフ・フレームとは、「もし……だったとしたら、どのように……する
か」「もし……実現したら、どのような気持ちとなるか」等と質問をすること
により、相手がかけている色眼鏡(フレーム)をはずさせるテクニック。
(アウトフレーム)

相手の先入観/固定概念を打破するために有効な、魔法の言葉。

通常は、実現したい目標がかなっている「未来」までイメージの中で空間移動
し、そのシーンを十分に味わってもらってから、それまでの実現プロセスを語
ってもらう。そのことにより「ドツボ」にはまっているフレームから抜けやす
くなる。

ただ、言葉だけを使ってもうまくはいかない。

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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「何もかもすべて責任放棄したくなるときってないですか?」


マネジャー :
「ああ、責任放棄? あるかもしれん」


部下 :
「部長もありますか」


マネジャー :
「昨日も得意先から連絡があって、部下のミスをあーでもないこーでもない
って責められた。俺はプロ野球の打てない4番バッターじゃねーんだよ、そ
んなに責めんなよって言いたかった」


部下 :
「ありますね。メンチカツに入れるひき肉みたいにされる感覚ですよね」


マネジャー :
「すごいたとえだな。まァ、そんなひき肉みてーなもんだよ俺は」


部下 :
「投げ出したくなりますか」


マネジャー :
「なるなる。俺に言わず部下に言え、俺は知らねーよ。それで相手が、お前
が上司だろう! と噛みついてきたらこう切り返すわけ。俺だって、なりた
くてあいつの上司になったわけじゃねーよメンチカツ野郎って」


部下 :
「おお! ノッてきましたね」


マネジャー :
「部下の首を差し出すから、煮るなり焼くなり揚げるなりしろや。その代わ
り残らず食べろよ、いいかわかったか!」


部下 :
「いいですねー」


マネジャー :
「こんな風に言ってみてーな」


部下 :
「今度言っちゃってくださいよ」


マネジャー :
「言うかよっ!」


部下 :
「ダメですか」


マネジャー :
「メンチカツどころか、とろろ芋にされちまうよ社長に」


部下 :
「とろろ芋かァ」


マネジャー :
「お前、ストレスたまってんのか」


部下 :
「私も責任放棄したいです。会社も辞めて、家も出て、放浪の旅に出たいで
す。そしてアルゼンチンのフエゴ島あたりで朽ち果てたいですね。浜辺に打
ち上げられた倒木のような感じで」


マネジャー :
「おいおいおい! どんだけ責任放棄するんだ。俺が話していることとレベ
ルが違うじゃないか」


部下 :
「そんな気分になるときってないですか」


マネジャー :
「ないよっ!」


部下 :
「はあああ……」


マネジャー :
「重症だな。お子さんの看病は大変か」


部下 :
「そうですねー。難病ですから」


マネジャー :
「もう何歳だ」


部下 :
「11歳になります。ひとりで歩けないし、食事もできません」


マネジャー :
「お母さんが看てるんだろう? 奥さんはなかなか帰ってこられないか」


部下 :
「妻のお父さん、最近特に徘徊が多くなって。先日も家から30キロ先の野
球場で警察に補導されたんです。夜中の12時にです」


マネジャー :
「そりゃあ目が離せないな」


部下 :
「ウチで引き取ることができたらいいんですが、うちのお袋が猛反対してま
して。けっこう複雑です」


マネジャー :
「君の糖尿病はどうなんだ」


部下 :
「薬は飲んでますが、あんまりよくありません。でも、なかなか通院もでき
ない状態で。しょうがないです。酒に狂った時期があるんで」


マネジャー :
「君の話を聞いていると、私がさっき愚痴ったことを恥ずかしく思う」


部下 :
「ははは。だから部長に『部下の首を差し出すから、煮るなり焼くなり揚げ
るなりしろや。その代わり残らず食べろよ、いいかわかったか!』って言っ
てほしいです」


マネジャー :
「あ、そうだな。言っちゃうか」


部下 :
「え、本当ですか?」


マネジャー :
「今から電話してやろうか。そのお客に」


部下 :
「ははは。そうしたらどうなりますかね」


マネジャー :
「そうだなァ、まずうちの社長がブチ切れるだろうな」


部下 :
「とろろ芋にされます」


マネジャー :
「社長が俺の首根っこを掴み、取引先に差し出すだろう。そして、煮るなり
焼くなり好きにしてください、パン粉をつけて揚げてもいいです、なんて言
うかな」


部下 :
「社長はそんなこと言いませんよ」


マネジャー :
「言わないな。一緒に土下座するんだろうな。お客様からもういいと言われ
るまで、10分でも20分でも1時間でも床におでこをくっつけ続けるん
だ」


部下 :
「そうですね」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なんか」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「たいしたことないな」


部下 :
「そうですね」


マネジャー :
「そんなことぐらい、全然たいしたことない、な」


部下 :
「1時間土下座をしてチャラになるんだったら、別にいいじゃないですか」


マネジャー :
「そうだな……」


部下 :
「今の私の家庭環境がチャラになるんだったら、1年以上土下座できます。
床におでこをくっつけ続け、自分は『きのこ』だ、『きのこ』だからいいん
だ、と思えばいいだけです」


マネジャー :
「……」


部下 :
「たかが土下座するだけで、なんでもチャラになるんだったら」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「そうだな……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「くだらねーこと考えてないで仕事しよか」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「よくわからんが、なぜか燃えてきた」



……小さなプライドを大切にして、やるべきことをやらない人が多すぎます。

私もそう。よほどのリスクを冒さない限り、現代のニッポンにおいて極限的に
追い込まれることなどないことを真面目に考えて、日々の面倒な仕事をこなし
ていきたいですね。


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