2016年12月31日

今年読んだ本で、最もお勧めしたい書籍を紹介します

おはようございます。「メルマガ草創花伝」の横山信弘です。


本日は毎年恒例、今年私が読んだ、最も「人に紹介したい」書籍をご案内しま
す。


今日、ご紹介する書籍はかなり特別な思いがあります。


今年1年どころか過去5年ほど読んだ書籍の中でも、最も心に残る作品です。
おススメというより、


「横山のメルマガ読者なら、これ読まないとヤバいだろ」


的な書籍とも言えるでしょう。


私たち企業に勤める者にとって、忘れかけているもの、忘れてはならないもの
を、力強い意志と筆致で訴えかけた作品。


その書籍とは……


■「キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062729245/mysterycon0c-22/ref=nosim


です。


2016年、アマゾンの「ビジネス・経済」カテゴリで年間ランキング2位。


累計20万部を超えた大ベストセラーですから、すでに読んでいる方も多いで
しょう。


ほぼすべてのページに赤ペンでマーキングしましたが、その中でも特に重要と
思われるセンテンスを、いくつか書き出してみます。


■ 売上が悪くなると、本社は管理を強化しようとします。当時は、ひと月に
20を超える施策と指示が届いていました。


■ 次々に下りてくる施策に対しても「達成できたか、できなかったか」「な
ぜできなかった」という検証ができていませんでした。


■ よく考えれば売上につながる営業活動になっていない、意味のないことに
労力を使っているのはわかるはずですが、他の手段も思いつかないから言われ
たとおりにやるしかないという、負けている組織の精神風土でした。


■ 低い目標設定をしたほうがラクには決まっているが、それでは意味がない。
目標とは、達成できそうな範囲内にするものではありません。


■ 「あなたたちは、年頭に目標をリーダーと合意しましたね。約束したよね。
営業活動をやって会社に帰ってきた時点で、目標の訪問数に達していないのに、
なぜ家に帰るのか。極端なことを言うようだが、目標数を達していないのなら
家に帰ることは許さない!」


■ 「信頼を取り戻すために『やる』と決めたことができないなら、会社にと
って必要がない。辞めていただいて結構だ。合意とはそういうこと。仕事とは
そういうこと」


■ メンバーのひとりは、「やったつもり、が許されない。見てないことは罪、
やっていないことは悪。逃がさない、逃げられないという環境だった」と振り
返って言っていました。


■ 「結果のコミュニケーション」を毎月毎月、粘り強く続けていくと、ひと
りひとりに徐々に基礎体力がついてきました。


■ 不思議なことに、結果が出ずとも、ガマンして4ヶ月目に入ると、皆、身
体が慣れてきました。


■ 数を回りたいので、1店あたりの滞在時間も5分程度と短くしなくてはな
らない。ならば、その5分で相手にキリンに関心や好感をもってもらうにはど
うしたらよいのか。


■ これまでキリンの社内ではよしとされてきた「量より質の営業スタイル」
を「間違っている」と否定しはじめます。


■ ほんとうに回る意味もわからなかった営業マンが、本気で回りはじめてか
ら、見えなかったものが見えるようになり、そこに結果が伴ってくると、まる
で人間が変わったように生き生きし始めました。


■ 花見や祭りが行われた翌日の朝に必ず現場に足を運ぶようにしていました。
ビールの空き缶が溢れているゴミ箱を調べるのです。どの銘柄が飲まれている
か、キリンの空き缶はどれぐらいあるかをチェックしました。残念なことに、
ほとんどの缶がスーパードライでした。


■ 理念を実現するには市場でどんな状態が必要なのか。それは、どこに行っ
てもキリンが置いてあり、欲しいときに手にとっていただけるという状態です。


■ キリンには以前から「量より質の活動」という意識が高く、キリンの営業
がまるで飛び込みセールスのように料飲店を回る、ということにはある種の侮
蔑さえ感じられました。まるで効率悪く量をこなすよりも、質を高めた的確な
提案活動を、という正論もありました。しかし、とにかく「バカでもわかる単
純明快」の基本を徹底して繰り返す、すなわちビジョン達成のために思いつく
限りビールのあるシーンはどんなところでも回る。


■ 1店3分あればできるコミュニケーションです。


■ 30分で10人ぐらいの人に「こんにちは」と挨拶されるようになりまし
た。


■ 高知支店にはチームワークをさらに超えて、同じ使命をもって困難にあた
っている仲間ならではの一体感といったものが出来上がっていました。その中
心となったのは内勤の女性社員2名でした。


■ 実は営業マンの活動時間データを見ると、外勤時間より内勤時間が多かっ
たのです。


■ 会議が多いのです。そして習慣化した会議は、内向きの言い訳作りの場で
あったり、何の課題解決にもならないものが多いのです。


■ 良かったところの圧倒的1位がこの会議廃止でした。


■ 我々のもつエネルギーを社内から社外へ


■ 実際、わたしが名古屋に来たときには、リーダーもメンバーも「田村さん
が何を言っているのかさっぱりわからなかった」そうです。


■ 多くの営業マンが手放していた「勝つことの大事さ」を認識してもらうこ
とが必要と感じていました。


■ 勝て、そのためには主体的な行動スタイルへの変革が急務


■ 勝つことの大事さを認識してもらうには、商品力によるのではなく営業力、
すなわち自分たちの力で勝つことを経験してもらう必要があると思いました。


■ 会社間で大きな差がつくのは実行力の差です。


■ 私は「平気で負ける人」が嫌いだ。


■ 負けるということはお客様の満足が低下することを意味する。


■ プロセスごとの正しい目標設定は難しいうえに、プロセスを管理する人間
や膨大な数の報告も必要となり、何のためにそれだけの労力を払っているのか
わからなくなりがちです。そのエネルギーを基本活動に振り向けて、基礎体力
をつけようということになったのです。


■ 目標達成は当然のことで、まだ打てる策はないか、もっと数量は積み上げ
られないか、考えろ。


……本書を読んでいて驚かされたことがあります。それは、


考え方、価値観が、私どものコンサルティングスタイルと同じ、いや、そのも
のではないか、と感じたことです。


特に、組織改革をはじめてから結果が出はじめるまでは数ヵ月間を要し、その
数ヵ月間は結果ではなく「基礎体力をつける」ために使わざるを得なかった、
という部分が酷似しています。


そうです。


改革を断行しようとしても、すぐにメンバーの行動は変わらないし、行動が変
わっても結果はなかなかついてこないものなのです。


本書の著者、田村潤氏は、キリンの高知支店の支店長として赴任し、負け続け
ていた高知支店を復活させます。


そしてその手腕を買われて四国4県の地区本部長、そして名古屋をはじめとし
た東海地区本部長を歴任。さらに全国の営業指揮もとります。


そして、この営業改革によって、9年ぶりにキリンビールがシェア第一位を奪
回するまでの、「大河ドラマ的群像劇」が本書では描かれています。


ドラマは常に2つの要素で成り立つものです。


その2つとは、「葛藤」と「衝突」。


この物語には、凄まじい「葛藤」と「衝突」が描写されていますが、この両者
が、私どものコンサルティングの中で繰り広げられるものとソックリなのです。


過去の栄光にしがみついている者たちとの戦い。


現場を知らない企画部、管理部との衝突。


地方支店と本社サイドとの、激しい温度差を感じながらも調整役として奔走し
なければならない葛藤。


こういった経験の欠片さえも味わったことのない方には、まったく理解できな
い作品かもしれません。


しかし、少しでも組織を変えたい、自分が愛した会社に変革をもたらしたいと
いう、心の中にいくつかの正義を持っている者からすれば、これ以上勇気をも
らえる作品はないでしょう。


今の、この時代に、


"目標の訪問数に達していないのなら、家に帰ることは許さない!"


……などという、多くの経営者やマネジャーが、口にしたくてもできないこと
を、よくぞ言ってくれたと、喝采したい言説が多数、含まれています。


私の「絶対達成する部下の育て方」や「絶対達成バイブル」を読んで、


「やり方はわかったけれど、実際にわが社でこのようなやり方をして、受け入
れられるとは到底思えない」


と考えた方は、この「キリンビール高知支店の奇跡」を読んでみてください。


本気で組織を変えたいと思っている人であれば、間違いなく、心に火が灯るは
ずです。


反対に、この「キリンビール高知支店の奇跡」を読んで、


「わが社は業種も会社の規模も違う。どうすれば、わが営業組織を根本的に変
え、このように会社を復活させられるのか」


と受け止めた方は、ぜひとも「絶対達成バイブル」を読んでいただきたいと思
います。


■『絶対達成バイブル』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894517396/mysterycon0c-22/ref=nosim


バイブルには、マインド、スキル、リーダーシップ、マネジメント……。


「キリンビール高知支店の奇跡」に書かれた手法を体系的に整理したノウハウ
が書かれています。


この2冊を一緒に読むことで、組織改革の「あり方」と「やり方」を同時に学
ぶことができると私は信じています。


最後に、


「キリンビール高知支店の奇跡」を読んで、久々に考えさせられたのは、ビジ
ネスにおける


"勝ち負け"


についてです。


ビジネスにおいて「勝ち負け」は関係がないようにも思えます。


憎むべき敵、倒さなければならない競争相手が必要かというと、そうでもあり
ません。


しかし、この表現が人を熱くさせることは間違いないのです。


何に対して「勝つ」のか「負ける」のかはともかく、ビジネス戦士として日々
ひたすらに勝利をめざすというわかりやすさは、人をモチベートする格好の材
料になると私は受け止めました。


"私は「平気で負ける人」が嫌いだ"


この一文がサイコーですね。


できれば「絶対達成バイブル」とセットで、お読みいただけたら嬉しいです。


来年も素晴らしい本との出会いがあることを願っています。
ありがとうございます。


以上